非常事態宣言の中で、店員さんは

      執筆者:編集部

非常事態宣言が発令され居酒屋、食堂などのシャッターに一時休業の張り紙が急に目立ち始めた。これまで所々で見かけていたが、こんなに多くの休業店が一度に出ると恐怖に近い。外食を頼りに生活している人にとっては痛手だ。止む無くコンビニに駆け込むが、これぞという食品はほとんどない。菓子パンが少々とスナック類が残っている。これを買って晩御飯となる。新型コロナウイルスがいつ収束するか、全く見当がつかないだけに不安が先行する。2月のはじめ、春先になれば自然に収束するという甘い認識が強かっただけに、非常事態宣言はショックだ。このままいけば多くの企業が倒産する。まず最初に個人商店がやられる。都内の家賃は地方に比べて相当に高い。当然、家賃が払えなくなるだろう。自前のお店ならしばらくは大丈夫だが、賃貸ではまず無理だ。「この近くの店はほとんど潰れる。すべて賃貸だから家賃が払えない」と蕎麦屋の親父が云う。それを聞いていたたまれなくなる。大手チェーン店のお店ならいざ知らず個店経営でまず無理だ。外食の次がホテル。4月7日現在、某大手ホテルの客室稼働率は10%を切っている。営業担当部長は「何かいい方法はありませんか」と嘆く。ありっこない。コロナウイルス以前、東京都内のホテルはいつも満員。予約などほとんど取れなかった。東京オリンピックがさらに輪をかけて、部屋の分捕りをしていた。それが、今、稼働率10%を下回っているというから恐ろしい。部長曰く「自宅待機が始まっている。することがなくて、ただうろうろするばかり」。手の空いてるものは自宅待機となる。それどころかホテル内で陽性反応がをだせば命取り、と云う。一方、スーパーマーケットで働く店員さん。パートか、契約社員か何かよくわからないが、感染覚悟で出勤しているという。休むと生活できない。毎朝、通勤電車で通っている。車内でくしゃみでもしようなら周りからどんな目で見られるか、それだけで、半分近く体力を失ってしまう。そうかといって電車を利用するしかない。くしゃみを意識すると余計に出そうになる。そんな中、通勤電車で通っている、という。非常事態宣言でスーパーが閉まってしまうと我々は干上がってしまう。そんな中、店員さんは休まず出勤している。非常事態宣言で電車やバスが止まると出勤できない。怖い怖いウイルスと最前線で戦っているのだ。