「プラスチックは悪くない、捨てる人間が悪い」 その1
執筆者:auc_shonin
2021年8月 「プラスチックは悪くない、捨てる人間が悪い」 その1
今回は、プラスチック再生利用についてコメントしたいと思います。
世の中の廃棄物を削減するためには、3Rといわれて、下記の3種類があります。
Reduce(リデュース) :無駄なゴミを出さない→エコバックの利用等
Reuse(リユース) :元の形のまま使う→ビール瓶や容器の再使用等
Recycle(リサイクル):一度資源に戻して新たな製品を作る→再生PET製品等
今、プラスチック関連で世の中が最も注目しているのが3番目のリサイクルです。
世の中にありますリサイクルショップは、Reuse(リユース)にあたります。このあたりのネーミングが混乱を招ねいている一つの要因ではと個人的には思っております。
右の写真のマークを日常目にすることも多いと思います。
これらが食品容器包装法により正式な再利用を示すマークであり、表示が義務付けられています。
法律上、食品包装容器に限定されていますので、食品包装でない場合は、表示されていないこともあります。
また、PET以外の食品包装プラスチックは左上の「プラ」に分類されます。また、食品容器以外のPET製品もこの法律の適用外となります。(ゴミ集積所に「PETボトルのみ)と表示されているのもそのためです。
しかし、「PET」以外は。全て「プラ」に属するというけど「いろいろな製品に右下のようなマークが記載されているのでは」と疑問を持たれる方もおられると思います。
これらは、食品包装容器リサイクル法とまったく異なる識別マークでJIS K 6899に準拠したアルファベットと樹脂略号表記による材質表示をすることが推奨されています。番号の分類は、下記の通りです。
1:PET(ポリエチレンテレフタレート)
主に飲料ボトル容器、プラカップ等
2:HDPE(高密度ポリエチレン)
主にポリタンク、ロープ、洗剤のボトル、白色ポリ袋等
3:PVC(ポリ塩化ビニール)
主に卵パックや水道パイプ、フルーツのケース等
4:LDPE(低密度ポリエチレン)
主に透明ポリ袋、ケチャップやマヨネーズなどのボトル
5:PP(ポリプロピレン)
主にプリンカップや弁当箱等
6:PS(ポリスチレン)
主に生鮮食料品のトレイや透明雑貨品、家電の緩衝材等
7:OTHER(上記以外のプラスチック)
家電ハウジングのABS樹脂製品やナイロン、ポリカーボネート樹脂のケース製品等
ペットボトルもPET製品なので1のPETマークが表示されており、このため他の材料もリサイクルマークと勘違いされていると思います。PET以外食品リサイクルによる表記は、全て「プラ」に該当します。
先の3R以外に、日本では燃やすことによるエネルギー回収も盛んにされています。
燃焼した熱で発電や地域温水供給やプールへの活用がなされています。
但し、燃焼時のCO2の発生で地球温暖化のから国際的にはリサイクルと認められていません。また、プラスチックが燃焼する際高温を発生際ますのでそれに対応した焼却炉も必要になります。(日本の多くの自治体は、ダイオキシンの問題から高温型焼却炉になっています)
しかし、生ごみを焼却する際には、高温が必要ありプラスチックが焼却助剤として働いている事実もあり、むやみに燃やすことが悪いとも言えないと思います。
また、技術革新おかげで発生したCO2を回収して、植物工場に供給したり、更に分解してO(酸素)とCO(一酸化炭素)にして新たなプラスチック原料として利用する提案もされてきていますので、これからはエネルギーリサイクルという観点もありと思います。
さらに最近のリサイクルでもアップサイクルという取組みがあります。リサイクル品を使用して、更に機能を持たせたリサイクルです。古着を集めてデザイン、機能的に優れた商品を作りだすような柔軟な考え方も必要です。TOKYO2020オリンピックで使用された青い表彰台も集めた洗剤容器(ポリエチレン)の新たなアップサイクルの取組みです。
つまり、リサイクルは、今後いろいろな分野に大きく広がっていくものと思います。
回収には多くのコストがかかります。そこで私たち一人ひとりできる身近な提案です。
①分別回収の徹底
②リサイクルプラスチック材は、生ごみ等汚れが付着していないように洗浄する
もし、洗浄が面倒のくらい汚れていたら心お気なく一般ごみとして捨てましょう。生ゴミと燃やすことで石油由来のプラスチックの威力が発揮されます。但し各自治体のルールに従ってください。
次回は、エコプラスチック材料についてコメント予定です。
繰り返しですが路上へのゴミのポイ捨ては絶対にやめましょう。