キリン「熟成ホップ」認知症予防効果の可能性認定

      執筆者:shirai

キリンホールディングスの独自素材である「熟成ホップ」について、同素材に含まれるビール苦味成分が、一般社団法人 日本認知症予防学会のエビデンス創出委員会による審査で、「グレードB」として2021年8月5日に認定された。「熟成ホップ」に含まれるビール苦味成分は認知症予防(一次予防)効果の可能性があると認定された。特定の食品成分の研究情報では、グレードA認定を取得した同社独自成分「βラクトペプチド」に続く2例目となる。一般社団法人 日本認知症予防学会は、認知症の発症予防、認知症の早期発見・早期治療・早期対応、認知症の進行予防の3つの予防に取り組むことを目的として設立された学会。認知症予防のためのエビデンス創出とそれに基づいた実践活動、 認知症予防のための人材育成、さらに「認知症予防」の普及啓発などを行っている。エビデンス創出とそれに基づいた実践活動では、評価委員会が臨床試験での取得エビデンスの評価を行い、グレード特AからEの6段階を判定しており、熟成ホップ由来苦味酸は「認知症予防(一次予防)効果の可能性がある」グレードBと判定された。適量の酒類の摂取は認知症の防御因子として知られおり、同社はこれまで東京大学と共同で、ビール苦味成分である「イソα酸」や「熟成ホップ」に含まれるビール苦味成分のアルツハイマー病予防効果を非臨床試験で解明してきた。「イソα酸」や「熟成ホップ」に含まれるビール苦味成分は、消化管の苦味受容体を介した「脳腸相関」の活性化により認知機能の改善、脳内炎症の抑制、脳内アミロイドβ沈着抑制を通じて、アルツハイマー病予防効果を示すことや、抑うつ状態を改善することを報告している。また、同社は慶應義塾大学や順天堂大学と共同で、「熟成ホップ」に含まれるビール苦味成分が記憶力の想起機能や注意力の制御機能を改善すること、気分ストレス状態を改善することを健常中高齢対象で二重盲検のランダム化比較試験にて確認している。