森永「ビフィズス菌BB536が中国・新食品原料」登録

      執筆者:motoe

森永乳業は、森永乳業独自のビフィズス菌である「ビフィズス菌BB536(Bifidobacterium longum BB536)」が、5月11日付けで中国の「新食品原料」に、登録名:长双歧杆菌长亚种 BB536(読み:チャンシュワンチガンジュン チャンヤアジョン BB536)として登録されたことを発表した。「新食品原料」とは、中国で伝統的な食習慣を持たない食品原料を中国国内で販売するために必要な制度で、今回の登録は、3歳未満向けの乳幼児用食品への使用が対象となる。これにより、「ビフィズス菌BB536」は3歳未満を対象とした育児用ミルクやサプリメント等への添加ができるようになり、中国において3歳未満の乳幼児用食品に使用する上で安全な菌であることが示されたこととなる。今回の「新食品原料」への登録により、3歳未満向けの乳幼児用食品が対象となったことで、中国全土においてすべての年齢層を対象にした「ビフィズス菌BB536」を含む商品を製造、販売することが可能。なお、中国の育児用ミルク市場は、2010年から2019年の10年間で市場規模が3倍に急成長しており、2020年は244億ドルで世界の育児用ミルクの約47%を占める主力市場となっていることから、育児用ミルクを製造している各国のメーカーは高い関心を寄せており、ビフィズス菌を付加価値として配合した育児用ミルク市場は近年増加傾向にあるという。一方、「新食品原料」の登録対象は、食品原材料としての特性を備え、中国で求められている栄養面や健康面、安全性等における一定の要求基準を満たしている原料である必要があり、これまで3歳未満向け乳幼児用食品に使用する菌種の登録については、2011年6件、2016年3件、2020年3件、2021年1件と、過去の実績が少ない点が特徴といえる。保有するビフィズス菌が新食品原料に登録されている日本企業は森永乳業のみで、また、3歳未満向け乳幼児用食品への使用を認められた森永乳業のビフィズス菌は、2016年の「ビフィズス菌M-16V(Bifidobacterium breve M-16V)」に次いで、「ビフィズス菌BB536」が2例目。同社では、森永乳業グループ10年ビジョンにおいて2029年3月期までに「海外売上高比率15%以上」を達成することを目標としていることもあり、中国での販売を強化する意向だ。