キリン「東武鉄道とペットボトルの水平リサイクル」開始

      執筆者:motoe

キリンビバレッジ(社長:吉村透留)は東武鉄道(社長:根津嘉澄)と協同し、使用済みペットボトルを回収してペットボトルに再生する「ボトルtoボトル」の水平リサイクルを東武東上線33駅で8月3日より開始する。日本では、使用済みペットボトルは回収された後、幅広い用途でリサイクルされることが多いため、ペットボトルからペットボトルへ再生される「ボトルtoボトル」の割合は15.7%と低く、一度、ペットボトル以外のPET製品に再生されたものを、ペットボトルに再生することは技術的に困難となる。また、自動販売機横に設置されているリサイクルボックス内の空き容器は、「事業系ごみ」として事業者ごとに回収されており、非効率な回収スキームとなっているのが実態で、今後、「ボトルtoボトル」をより推進するためには、リサイクルボックスから回収したペットボトルを「ボトルtoボトル」が可能な品質まで処理すると共に、回収にかかるコストを低減することが課題となっている。今回、同社と東武鉄道は、路線内に設置されているリサイクルボックスの回収を一括して行うスキームと、路線内で集まったペットボトルを再びペットボトルへ再生する循環サイクルを共同で構築。先行して運用開始するに至った。本取り組みでは、東武ビルマネジメント(社長:伊藤克俊)が、東武東上線各駅の同社の自動販売機横に設置されているリサイクルボックスから使用済みペットボトルを回収し、木下フレンド(社長:木下公次)にて中間処理を行い、リサイクラーである豊通ペットリサイクルシステムズ(社長:小坂彦二)に供給した上で、同社が再原料化・再生PETを使用した容器の飲料の製造を行うというもの。また、駅を利用客に対して、リサイクルボックスの設置目的を正しく理解もらい、異物混入を減らすため、ポスター等で啓発する取り組みも行われる。なお、今回、東武東上線の33駅にて先行して実施した結果検証を経て、将来的には東武鉄道の全路線に設置されている同社の自動販売機横のリサイクルボックスに対象を広げ、取り組みの規模を拡大させていく予定という。