健康ニュース 12月1日号 「ひもじい」とは・・・
2022/11/27
隠居中の大御所 暈穀菜「おっ、良いところに来た。面白い話があるから聞いてくれないかな?」
隣家のインテリ夫人「少しぐらいならいいですよ。また愚痴話ですか?」
隠居中の大御所 暈穀菜「いや、ひもじいという意味や語源の話だ。学問的だろう」
隣家のインテリ夫人「あまり難しい話は嫌ですよ。それで、ひもじいがどうしたのですか?」
隠居中の大御所 暈穀菜「ひもじいということは、ひだる神という日本古来の妖怪と関係あるということを知っているかな?」
隣家のインテリ夫人「なんですって?ひもじいということはお腹が空き過ぎている状態を言うのですよね。それが妖怪と何の関係がある のですか?」
隠居中の大御所 暈穀菜「ひだる神はね、山道などを歩く人に空腹感をもたらす妖怪で、室町時代には空腹であることをひだるしと言っていた。今の時代と違って、空腹であるとかお腹がすいているなんて口で言うことは、高貴な人たちにとってはマナー違反であったのだね。そこでお腹がすいているということを隠語で、私は今、ひだるしのひの文字です、といい始めたというわけだ。」
隣家のインテリ夫人「もう一つ意味が分かりませんが・・・」
隠居中の大御所 暈穀菜「昼飯を腹一杯食べたのだろう。だから頭の回転がいつも以上に鈍いのだね。ひだるしのひの文字といえば、つまりひ文字、つまりひもじいということになるだろう?やっとわかったか・・・」
隣家のインテリ夫人「あ~、なるほどね。納得しましたわ。ひもじいという言葉は、ひだるしという言葉が変わったということですね。そうですか・・・。知識が増えましたわ」
隠居中の大御所 暈穀菜「今は飽食の時代だからひもじいこともないね。君と同居している義理のご両親はひもじい思いなどしていないよね」
隣家のインテリ夫人「食欲旺盛ですわ。何かの都合で食事時間が少し遅れようものなら,それこそひもじいと言って騒ぎますわ」
隠居中の大御所 暈穀菜「食欲があるうちは大丈夫だね。先日ちらっと姿を見たけれども体重も前と比べて減っていないみたいだしね。きっと君の食事管理が行き届いているからだと思い、感心していたのだよ」
隣家のインテリ夫人「ありがとうございます。毎日寝る前に体重計に乗って測定し記録しているみたいです。BMIも母は20前後といっていましたわ」
隠居中の大御所 暈穀菜「毎日体重を記録することは素晴らしいね。でもBMIが20ではちょっと気になるね」
隣家のインテリ夫人「どうしてですか?BMIが18以上ですから安心ではないですか?」
隠居中の大御所 暈穀菜「高齢者はフレイルに気をつけなくちゃいけないということから、2015年に発表された食事摂取基準によると、70歳以上の人は男女ともBMI値は21・5~24・9が望ましいとされているからね。20だとすればもう少し食べて太っても差しさわりは無いね」
隣家のインテリ夫人「そうですか・・・。家族で話し合いますね。フレイルにはなって欲しくないですから」
隠居中の大御所 暈穀菜「三度の食事だけでは無理かも知れないから10時と3時のおやつタイムを活かすと良いね。親父さんは甘い物が好きとのことだから、和菓子屋で北窓など買ってあげると喜ぶのではないかな?」
隣家のインテリ夫人「北窓?以前お聞ききしましたわ。冬の時期のおはぎの別名ですよね」