サッポロ「AI需要予測システム」本格運用開始

      2023/06/30   執筆者:motoe

サッポロビールは、ビールやRTDの出荷における「AI需要予測システム」を7月1日から本格的に運用開始する。この「AI需要予測システム」は、日鉄ソリューションズの支援を受けて開発したシステムで、商品発売の約16週間前から需要予測を開始し、その後も受注状況や販売状況などを反映しながら、出荷量を予測するというもの。これまで"人が担っていた"需要予測を"人とAIが協働する"ことで、在庫を最適化し、消費者のニーズにより迅速にかつ柔軟に応えることができるサプライチェーンの構築につながるという。2022年10月からデータ分析・試験モデル作成に着手し、2023年3月までの6カ月間で、ビールやRTDの限定品などを中心に、約40アイテムでAIの機能検証をしてきたが、検証開始当初は人の予測精度に敵わなかったAIも、学習を重ねることで、検証終了時点には人だけの予測精度よりも人とAIが協働した予測精度は約20%上昇したため、本格運用開始を決定。本取り組みは、AIに需要予測を任せるのではなく、AIを育成・運用することで、これまでの予測ノウハウを組織知として蓄積・継承しながら業務をより高度化させることを狙っている。需給管理業務の高度化は、サプライチェーン全体の計画・実行業務の高度化、データ主導型の意思決定、在庫やコスト構造の最適化に大きく寄与するため、今後も、DX・IT人財育成プログラムや日鉄ソリューションズからのスキルトランスファーを通して、AIによるアウトプットを理解・活用したDX人財の育成とAIとの協働を実現させていきたいとしている。