キリン「乳酸菌Ｌラクティスプラズマ」感染防御効果確認

キリンホールディングスは、今まで実用化の例がない、自然免疫誘導型ワクチンの研究開発において、国立感染症研究所との共同研究により「乳酸菌L.ラクティス プラズマ」の経鼻接種によって、新型コロナウイルスおよびインフルエンザウイルスへの感染防御効果を非臨床実験にて確認。同研究成果を愛知で開催された、第28回日本ワクチン学会（2024年10月26日（土）・10月27日（日））および第71回日本ウイルス学会学術集会（2024年11月4日（月）～11月6日（水））で発表した。キリンは、2021年に国立感染症研究所と「乳酸菌L.ラクティス プラズマ」の医薬品開発に関する共同研究を開始し、これまでに「乳酸菌L.ラクティス プラズマ」で刺激した形質細胞様樹状細胞（以下、pDC）培養上清が、新型コロナウイルスの増殖抑制に寄与することを確認してき。今年3月には、「乳酸菌L.ラクティス プラズマ」が、新型コロナウイルスをはじめとする呼吸器ウイルス感染を予防する手段となり得る点が評価され、AMEDの先進的研究開発戦略センター（以下、SCARDA）が公募した、「ワクチン・新規モダリティ研究開発事業」への採択が公開された。「乳酸菌L.ラクティス プラズマ」は、ウイルス増殖を抑制することで感染症リスクの低減に寄与する可能性が考えられるため、そのメカニズムについては、今後も継続して検証を行っていく。＜研究成果（概要）＊非臨床段階の実験＞「乳酸菌L.ラクティス プラズマ」の経鼻接種により、鼻組織由来細胞においてウイルス感染防御に重要な免疫細胞であるpDCの割合増加や抗ウイルス遺伝子の発現が認められた。また、経鼻接種によって、鼻腔内などにおいて、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの増殖を抑制することを確認した。＜得られた示唆＞これらの研究結果により、「乳酸菌L.ラクティス プラズマ」の経鼻接種によって、鼻組織などでの自然免疫応答を増強し、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなどの呼吸器ウイルス全般に対する感染予防効果を発揮する可能性が示唆された。