第926話 ソーセージ君とハムちゃん
2025/01/03
~ 食味審査から ~
友人の三紀さんから、時々依頼されている官能テストに参加した。
この日のテストは「ウインナーソーセージ」だった。
チェック項目は、味(塩味、旨味、酸味、酷、スパイス感)と匂い(スパイス感)るだった。その詳細を述べることは控えるが、チェックポイントは的を得ていると思う。
ソーセージというのは牛・豚・鶏など挽肉に香辛料を加えた食品、ハムは腿肉の塊肉を塩漬にした食品であることは、まあ常識だろうが、さらに加える項目があるように考える。
たとえば、ソーセージとハム、どちらが好きかと問われたらどうだろう。
個人的には、ソーセージに軍配を上げる。なぜかというと、ソーセージは温めて食べることが多く、ハムはそのままで食べることが多い。
そもそもが、原始の時代の人間は、狩で仕留めた獣肉を焼いて食べていた。
人間にとって、冷めた生肉より、熱を通した肉の方が美味しいということが分かった。食べ物に火を通すことが人間の証明なのである。だから人は一般的に温かいソーセージが好きということになるだろう。
そこから、食べ物は温かいから美味しい、冷たいから美味しいという食味が生まれたというわけである。
ちなみに、かつては大手のハム・ソーセージメーカーに勤務していたという友人の「行」さんに尋ねると、日本ではソーセージの方が売れているという。
話は変わるが、過日某女子大で「日韓の食文化」についてお話させてもらった。
そのときに、焼肉を例に出して、外国は肉を焼くときは直火が多いが、日本は歴史的に間接火焼きが多いと申し上げたところ、後でいただいた感想文にはかなり納得された様子だった。
私の言う間接火焼きとは、主として鉄板焼きのことである。知られているのは世界的に大ヒットしたすき焼きと鉄板焼きステーキであり、それは利休の麩の焼きに始まり、なぜか江戸下町のもんじゃ焼き、お好み焼きとなり、そして蛸焼き、鯛焼き、回転焼きと広がった日本独自の食文化である。
直火焼きと間接火焼き、温かい肉と冷たい肉の面白さについて、学生さんたちがもっと追究してもらえれば嬉しいとおもう。
江戸ソバリエ
ほし☆ひかる