大塚製薬、東北大「脳の活性化には栄養バランスが重要」
執筆者:編集部
大塚製薬(株)は、東北大学と同社佐賀栄養製品研究所との共同研究において、朝食として栄養調整食品を摂取し、暗算や簡単な記憶テスト(以下、知的作業)を行った場合、前頭前野内側面における脳活動が糖質のみの摂取と比べて高まることを脳科学的な見地から確認した。前頭前野は能動的な注意、意欲に関わる領域で、本領域の活動低下は慢性疲労との関係があるといわれている。健常成人6名を対象に、朝食摂取前に知的作業および集中度などの自覚症状を測定した後、朝食として被験物(栄養調整食品:五大栄養素を含む400kcalの飲料、糖液:400kcalの糖質のみを含む飲料、水のいずれか)を摂取し、朝食前と同様のテストを経時的に行ったもの。その結果、栄養調整食品を摂取した場合は、糖液や水摂取と比べて、摂取180分後に前頭前野内側面の脳活動が有意に高くなっていることが確認された。これにより、脳の活性化には、糖質だけではなく、バランスのとれた栄養素の摂取が重要である可能性が、脳科学的見地から示唆された。なおこの結果は、東北大学川島隆太教授らによって、脳機能に関する学会「16th Annual Meeting of the Organization for Human Brain Mapping」にて発表された。