農業協同組合「4~6月期の配合飼料供給価格」

      執筆者:編集部

全国連合会は4~6月期の配合飼料供給価格について、飼料情勢・外国為替情勢等を踏まえ、1~3月期に対し、全国全畜種総平均トンあたり約1,800円値上げすることに決定した。改定額は地域別・畜種別・銘柄別に異なる。「東北地方太平洋沖地震」の影響に鑑み、価格改定の実施時期は5月1日出荷分からとする。飼料穀物は、とうもろこしのシカゴ定期は12月上旬には5ドル/ブッシェル台で推移していたが、米国農務省需給見通しで期末在庫率の下方修正が続き、5%と歴史的な低水準にあることや、穀物市場に大量の投機資金が流入したことから高騰し、現在は7ドルを挟んだ水準で推移している。今後は、エタノール用の需要が旺盛であるため在庫率の回復が当面見通せないこと等からシカゴ定期は堅調に推移するものと見込まれる。大豆粕は、大豆粕のシカゴ定期は12月上旬には380ドル/トン台で推移していたが、とうもろこし同様大豆の期末在庫率が4%台と低水準になったことから上昇し、現在は400ドル前後で推移している。国内産大豆粕価格はシカゴ定期が上昇していることから値上げが見込まれる。 海上運賃は、米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は12月には60ドル/トン前後で推移していたが、中国の鉄鉱石輸入の停滞や、豪州の洪水被害による石炭の輸出停止などから船腹需給が緩和され、現在は55ドル前後で推移している。今後は、南米の穀物輸出が最盛期を迎えることから、海上運賃は底堅く推移すると見込まれる。外国為替は日本経済の回復には不透明感がある一方、米国は輸出促進のためドル安に誘導する金融政策をとっておりドルの上昇が抑えられていることから83円を挟んだ水準で推移している。今後は、改善の兆しがある米国経済も本格的な景気回復までには時間がかかるとみられるため、一進一退の相場展開が見込まれる。