第364話 蕎麦王国埼玉
この度『蕎麦王国埼玉』を上梓し、また今秋の「武蔵の国のそば打ち名人戦」の名人位には埼玉県知事賞を授与することになった。そのせいかどうかは分からないが、第9回「埼玉県知事を囲む会」に参加しませんか、というお誘いを世話役のリベラルタイム出版社の社長さんから頂いた。
会場の「孤丘」(与野)におじゃますると、埼玉県の政財界の方20名ほどが集まっておられた。
さっそく、知事のお話になったが、伺うと埼玉県のGDPの伸率・シェアともに、大都市の東京・大阪・愛知には及ばないが、その次のランクにあるとのこと。
「やはり、そうか」と思ったのは、上梓した新刊の題名決定が同じような感じだったからだ。
というのは、埼玉を訪れる度に目に付くのが、蕎麦屋さんだった。そこで資料で確認してみると、蕎麦・うどん店の数は大阪より多く、東京に次いで2位であることを改めて知った。その上に埼玉は蕎麦処秩父を有しているため、首都圏の中では収穫量が多い。そこで消費・生産量ともに多いなら、題名を『蕎麦王国埼玉』としようということにしたのだった。
そばネット埼玉の代表幹事の方や武蔵の国そば打ち名人戦実行委員会をはじめ県で蕎麦活動をやっておられる方たちも、「そういう視点で埼玉を見たことがなかった。」とおっしゃって、本をかなり推奨してくださった。ありがたいことだ。
と、ここまで書いていて思い出した。そうだ、埼玉の幸手は合鴨も有名だった!
蕎麦屋での鴨料理は《鴨南蛮》などが定番だ。それに《鴨吸い》なども堪らなく美味しい。
美味学では七味が味覚の基本となっているけれど、その七味に入ってない【油脂】の美味というのは欠かせない。
鴨といえば、いま話題の桑田佳祐のニューシングル「ヨシ子さん」を聞いていると、「フンガ フンガ 上鴨そば (Hey ) ♪ フンガ フンガ 上鴨そば (Hey) ♪」という歌詞が出てくる。
意味不明ながらも、「蕎麦王国埼玉」の応援歌のような気がしないか・・・?
〔江戸ソバリエ認定委員長 ☆ 文 ほしひかる、表紙装丁nomo-gram 〕