健康ニュース 9月1日号 今、栄養失調とは・・・!?
隣家のインテリ夫人「母の友人が高齢者健診で栄養失調と言われショックを受けています。毎日3食きちんと摂っているそうで、何故そう言われたのか悩んでいるみたいです。好き嫌いもなく何でも食べているそうですが・・・」
隠居中の大御所 暈穀菜「その方は何か持病でも持っていないのかな?もし持病があるとしたら、持病の悪化を契機に一気に食欲が減退し、栄養失調になってしまうことがあるから気を付けなくてはならないな」
隣家のインテリ夫人「母たちの仲間とよく一緒に出掛けていますから、特に持病があったとしても悪化しているとは思えませんが・・・」
隠居中の大御所 暈穀菜「だとしたら食事内容に問題があるのだろうね。推測では言えないから、一ヶ月の食事内容の記録を取り、医者とか栄養士に相談するのが良いだろうね。一般的に言うと、多くの高齢者は、生活での消費エネルギーが少なくなる。結果として摂取エネルギーも少なくなっていくと考えられる。それゆえ全体的に見た場合、今までは摂っていた栄養素が摂れなくなっていると考えられる。それが高齢者の栄養失調と考えて良いが、専門家は低栄養と言っているのだね。特にタンパク質の摂取不足が原因とも考えられている。要するに、効率を考えると高齢者はもっと肉を食え!ということだな」
隣家のインテリ夫人「お年寄りは消化を考えるとどうしても肉よりもお魚、という考えになりそうですが、それが良くないのですね」
隠居中の大御所 暈穀菜「肉には転倒による骨折や貧血を防ぎ、老化を遅らせる働きがあるのだね。肉より魚というよりも、魚も肉も食べよう!と言ったほうが良いかもしれないな。高齢者の食事を研究している医者は、肉と魚は1対1の割合で1日おきに、交互に食べるのが理想的な食べ方と言っているよ。もちろん研究者によって様々な意見があることも知っておいて欲しいけれどもね」
隣家のインテリ夫人「母などは歳だからお肉や脂っこいものはどうしても避けたくなると言っていますわ。早速今夜はお肉のメニューを考えてみますね」
隠居中の大御所 暈穀菜「そうするのが良いと思うな。とにかくタンパク質を十分摂ることは老化を遅らせるとのことだ。その指標となるのがアルブミンの値。アルブミンは血液中を流れるタンパク質の約60%近くを占めるもので、ふつうは加齢とともに段々と低下してくるものなのだね。毎年厚生労働省が実施している国民健康・栄養調査によると、70歳以上の高齢者のアルブミン不足は、2割を少し下回る数値とのこと。それだけアルブミン値不足、つまり栄養失調が多いということだ。お母さんの友達も、そういう意味で栄養失調と言われたのだろうね」
隣家のインテリ夫人「見た目だけで判断するのはいけませんね。考えただけでも怖いことですわ」
隠居中の大御所 暈穀菜「高齢者のアルブミン不足は、フレイル(虚弱)と言って要介護になるか、ならないかの境にあると考えたほうが良いよ。寝たきりにならないためにも肉をもっと食べさせなさい。歳を取ったら肉や脂っこいものは避けるという発想はきっぱり捨てることだ。そこで君の寝たきり予防のために、美味い焼き鳥をご馳走しよう。冷えたビールで乾杯だ!」