健康ニュース 6月1日号 六月が水無月とは・・・

     

隣家のインテリ夫人「いよいよ今日から六月ですね。暦を見ていたら水無月とありました。梅雨時なのに何故昔の人は水無月といったのでしょうか」

隠居中の大御所 暈穀菜「面白い質問と言えるかもしれないが、察するに国語の成績はあまり良くなかったのだろうね。古語では連体助詞として(無)を(の)という意味で使っているのだよ。従って水無月とは、水の無い月という意味ではなく、水の月という意味だな」

隣家のインテリ夫人「そうなのですか。納得ですわ。お聞きして本当に良かったです。ありがとうございます」

隠居中の大御所 暈穀菜「礼を言われるほどのことでもないがね。でも違う説もあるから聞いておくれ。陰暦の六月は、現在では六月下旬から八月上旬に当たるといわれている。この時期は梅雨も明けて、猛暑となり水不足も考えられる。だから水無月というという説もあるから知っておいたほうが良いな」

隣家のインテリ夫人「せっかく理解できたと思っていたのに、頭がこんがらがってしまいそうですわ。結局どちらでも間違いではないということですね」

隠居中の大御所 暈穀菜「両方の説を覚えておくと良いのではないかな。十月の神無月も同じことが言えるね。出雲地方では、国中の神さまが出雲大社に集まるので(神有月)と独自の言い方をしているということらしい。出雲以外の地域では、神様が出雲大社へ行っているので、神無月というという説が浸透している。一方連体助詞の説を取ると、秋の収穫を諸々の神様に報告するので、神無月ということになるよね」

隣家のインテリ夫人「日本語の奥深さが良く理解できました。話は変わりますが、先日、熱中症対策では汗をかいたからと言って水ばかり飲んでいてはだめだ、とおっしゃいましたよね。水分補給なのに何故水だけ飲んでいてはいけないのですか?」 

隠居中の大御所 暈穀菜「基本的な質問だな。体内の水分量がコップ一杯すれすれまであると考えてみよう。分かりやすくするために、そのコップに紅ショウガの汁を入れてみようかね。その水分中には熱中症では問題となる塩分も含まれている。今、大汗をかいたとしよう。コップの水分量はどうなっているか、考えてみなさい」

隣家のインテリ夫人「すれすれ状態の水分量は減っていますよね?違いますか?」

隠居中の大御所 暈穀菜「正解だよ。そこで水分量が減った状態のコップに水だけを補給したらどんな状態になるかな?やってごらん」

隣家のインテリ夫人「(水道水を補給しながら)あっ、そうか・・・。赤色の水が薄まってきましたわ!すごく分かりやすい実験ですね」

隠居中の大御所 暈穀菜「その通り。汗をかいたからと言って、水分補給だけやっていると体内の塩分濃度が薄くなって熱中症になる可能性が高くなるということだな。だから塩分補給が欠かせないということになるのだね。さて、話疲れたから届いたばかりの冷酒で一杯やろうかね。肴は塩分補給にぴったりの塩辛が良いかな。何?アルコールは水分補給にならないだって?そんなことは百も承知しているよ。うるさいことは言わないことだ!」