<コンビニ創業戦記『鈴木貞夫言行録』>(第65回)
2023/01/26
賀正
2023年・令和5年・ミトリズ2年が、
一陽来復の「新しい景色」を創出する年となりますように、
心から御祈念申しあげます。
第7章・(株)ミトリズ 時代 (その7)
『最近の読書シリーズ』 (其の4)
<デビット・A・シンクレア著『LIFE SPAN(老いなき世界)』を読んで>(其の4)
――健康寿命120歳超えを目指す旅――
6・第三部・『私たちはどこへ行くか』(未来)
『長寿社会への不安の予言』
人間が今より長く生きられる時代がそこまで来ていることが分かると、強い不安の声が上がり始める。
一人は、1980年に、WHOが天然痘の根絶宣言を行った際の「世界天然痘根絶確認評議会」の
委員長を務めた著名なオーストラリアの科学者のフランク・フェナーである。
そのフェナーが亡くなる直前の2010年に、「人類は100年以内に絶滅するだろう」との予言を残した。
今一人は、かの著名な理論物理学者・スティーヴン・ホーキンスである。
2016年11月に、ホーキンスは、「人類はあと100年のうちに新しい住処を見つけた方がよい」と説いたのである。
「見つければいい」と云ってもどうすればいいのか。
こうした深刻な警告と予言の数々は、人間が平均して75~80年ほど生きる世界を前提としている。
つまり、地球環境の未来を最も悲観的に捉えた主張であつても、問題の大きさを実際よりも過少にしか評価していない。
どんな予測モデルを見ても、寿命が長くなれば人が増え、人口密度が高まり、環境破壊が進み、消費量も廃棄量も増加し、
環境危機は悪化すると云う予言である。
それでも私は未来への希望を失わない。
世界をより良い方向に変える力が長寿革命にはあると、信じているからである。
『人類は限界を超える事が出来る』
人間は地球で生き延びるために、数々の変化を遂げてきた。
人類が過去50万年の間に蓄積してきた様々な技術が、私たちの生存を大いに助けてきたのも事実である。
幸運にもヒトという生物は 学習して技術を習得し、それを他者に伝えるのに長けている。
200年ほど前からは、科学的手法と呼ばれるプロセスを編み出して活用し、それが更なる学習を加速させてきた。
元気で暮らせる期間を延ばそうとするのも、このプロセスの延長線上にあるものに過ぎない。
人間という生き物は、何か困難が生じれば、新しい工夫で対応せずにはいられないのが本能である。
肝心なのは、人類がこれからも科学技術を開発して、時代の先を行けるかどうか。
人口問題、環境問題、食糧問題、そして核廃絶による平和問題に直面しても、
全ての生物が暮らしやすい地球へと変えていけるかどうかなのである。
『人口増加と進歩』
世界の平均人口増加率は1970年ごろには年間2%だつたのに対し、最近では約1%にまで落ち込んでおり、
国連の人口統計学者は2100年ごろには0・1%になり、世界人口は110億にに達してから横ばいとなり、
以後は減少に転じるだろうと予測している。子供の数が世界レベルで減少するからである。
今現在、地球に暮らしている人のほとんどは100歳まで届くのを十分期待してよい。
120歳は今のところ寿命の上限とされているが、開発中のテクノロジーが実を結べば、多くの人が
その年齢まで、しかも健康な状態で到達する可能性がある。
この100年で起きたことを思い起こせば、人類は指数関数的な人口爆発を生き延びただけではなく、
見事な繁栄を手にしてきた。
過去200年は、人類の歴史が始まって以来の爆発的な人口増加を見た時代である。
その間に、君主と、植民地の総督以外はほぼ貧しい暮らしをしていた時代は終わった。
今や社会はグローバル化し、極貧率は10%を切り、さらに急速に低下しつつある。
また、地球の人口が数十億人に増えたのと同じ世紀に、世界中で教育機会が向上した。
1800年、世界の識字率は12%だったのに対し、1900年には19%になり、現在は85%である。
世界はかってないほど人で溢れて居ながら、かつてないほど多くの人が暮らしやすい場所になっているのだ。
100年前の地球は、今よりずっと人が少なく、人生もはるかに短かったのである。
『高齢者が活躍できる社会へ』
古の文化では 高齢者が知恵袋として尊ばれてきた。
文字もない、ましてやデジタル情報などあろうはずもない時代には、古老たちだけが知識の源泉だったからである。
15世紀の「印刷革命」、19世紀から20世紀にかけての「教育革命」が起こり、識字率が向上する。
高齢者はかつては社会が適切に機能するために不可欠な財産とみなされていたのに、次第に厄介者扱いされるようになる。
1900年以来医療が向上したお陰で、平均寿命が20年帯びた。
現在では1900年当時の5倍もの高齢者がいる。
だが仕事の現場においては、年齢による差別が曼延している。
もちろん、これは全て間違いである。
誤った固定観念のせいで企業が優れた人材を失うのは、もったい限りである。
人間は投資対象にほかならない。
世界のどんな社会も、主に教育や訓練を施すことで、その投資が『生涯にわたる税金』という形で返ってくるようにする。
この投資は、すでに社会に途方もない恩恵をもたらしている。
健康な寿命を延ばす事が出来れば、社会の投資は何倍にもなって返つてくる。
労働力として貢献できる期間が長ければ長いほど、その見返りは大きい。
それは、人々を無理やり長く働かせることではなく、働きたい人が働くのを許す制度のことである。
『長命社会における責任とモラル』
これまで説いてきたように、老化が治療されて必然的に健康寿命が延びた時、それこそが何より世界を大きく変える力になろう。
私たちは、先送りしている問題と否応なく向き合わなければならなくなる。
今現在だけでなく、100年後の人類のためになる研究に投資し、200年後の地球の生態系と気候を心配する。
そして、拡大する貧困と格差の問題を解決する対策を、真剣に講じなければならない。
新しい指導者が、公正かつ合法的に古い指導者と入れ替わる仕組みを作る必要がある。
また、消費して廃棄する物の量を世界が耐えうる量とバランスを取らねばならない。
人新世という今の地質時代には、生物の絶滅が自然状態の数千倍のペースで進行している。
絶滅のペースを著しく遅らせ、出来れば完全に止めねばならない。
健康寿命が延びれば、社会や経済は大きな利益を受け取ることになる。
それが必ず賢く使われるような、仕組み作りが、求められるようになろう。
今以上に、共感と思いやりの心を持ち、人を許し、より公正になる。
私たちは、もっと人間らしくならねばならないのだ。
『世界を変える勇気を持とう!』
終わりに、妻と子供たち、両親や家族に、心から感謝をしたい。
本書を創作する過程で、いろいろな役割で助力して頂いた、全ての関係者に感謝したい。
それから、私が関わつている生命科学ベンチャー企業のすべてのチームに感謝する。
私は、研究者の道を選んだ時、科学者にとつて最大の御褒美とは、新しい発見をすることだと思つていた。
だがそうではなかった。
実際には、終生の友をつくり、辛い時も自分の味方になってくれる存在を得ることだったのだ。
世界をより良き場所にするために奉仕し、私を教え導いてくれた諸先輩方、命を懸けて支えてくれた世界中の友人たち、
そして、全ての協力者の皆さんに、心からの感謝を捧げたい。
私は未だ50歳代、まだまだこの世に留まるつもりだ。
でも、22世紀を見る事が出来たら素敵だと思う。
やりたいことが沢山ある。助けたい人が大勢いる。
私は、これからも人類の背中を押して、私が信じる道へと進ませていきたい。
「変えられない未来などない」のだから。 以上。
<デビット・A・シンクレア著『LIFE SPAN』を読んで>の紹介を、以上で終わります。
より多くの方々にも本書を読んでいただきたい、生きる勇気と力をもらえます。
次号からは、<ヨハン・ノルべり著『OPEN』(NEWS PICKS刊・2640円)>を読んで>を掲載します。
『朝礼スピーチ事例集』㊵
<2023年度方針確認会コメント要旨>
ーー2022.12.16--
全国の皆さん、長時間の方針確認会参加有難う。今年最後のグータッチを送ります。
総括コメントとして2点申し上げます。
第1点は 「ミトリズ元年」を締めくくるにあたり、皆さんに、声高らかに
【オブリガード・ミトリズ!】と、心から感謝の念を強く申し上げたいことです。
第6波、第7波、第8波と打ち続くコロナ禍に加えて、
ロシアによる非道なウクライナ侵攻の深刻化による世界経済の混迷など、
出口の見えない逆風の中で、皆さんお一人お一人が、それぞれの立場で知恵と力を発揮されて、
ミトリズの新しい成長の種が着実に芽生えつつあるからです。
第2点は、迎える2023年(令和5年・ミトリズ2年)を、只今確認した新年度方針を
適格、忠実に実践し抜いて、パーフェクトゲームを達成し、
一年後の方針確認会で,全員ともどもに【ブラボー・ミトリズ!】と、
祝杯を挙げることを深くお誓いして、コメントといたします。
以上
『鈴木貞夫年譜・2022年第四期』③
12月 1日・一橋一木会(於如水会館)
6日・朝礼
・プロジェクトMT
・部門長会議
・経営会議
8日・ワクチン5回目
12日・新宿海上診
13日・朝礼
・部門長会議
・経営会議
・フードボイス月例会
14日・LS会(常総CC)
16日・新年度方針確認会
17日・如水会埼玉南支部会(伊勢丹浦和店)
20日・朝礼
・アカウントMT
・部門長会議
22日・取締役会
以上
<次号は『鈴木貞夫言行録』(第66回)を掲載します>
――バツクナンバーは<鈴木貞夫プロフィールと『目次と索引』>を検索して下さい――