日清「プラントベースうなぎ」開発成功

日清食品ホールディングス (社長・CEO:安藤宏基) は、動物由来原料を一切使用せずに "うなぎの蒲焼" の食感や見た目、風味を再現した「プラントベースうなぎ」の開発に成功した。古くから高級食材として知られている "ニホンウナギ" は、国際自然保護連合により絶滅危惧種IB類1に指定されている一方で、ウナギの養殖は天然資源 (稚魚であるシラスウナギ) に依存しているのが現状。特に、近年、シラスウナギの漁獲量は減少傾向にあり、その価格が高騰していることから、市販されるうなぎの価格も上昇している。さらに、ウナギを卵から育てる完全養殖は、技術的に確立されているもののコストの問題が解決されておらず、実用化には至っていないため、このままでは「うなぎを食べる」という日本の食文化が失われてしまう可能性も考えられる。「プラントベースうなぎ」の開発には、動物由来原料を使用せずに本物の "うなぎの蒲焼" に近い「食感」と「見た目」を実現するという大きな課題があったというが、同社では 本物の "うなぎの蒲焼" の食感に近づけるため、「白身層」「中間層」「皮層」の3層に分け、「白身層」には、主に粒状大豆たん白を使用し、ふわっとしながらも繊維感のある食感を再現。「中間層」は、植物油脂などを使用することで、うなぎの身と皮の間にある脂身のとろっとした食感を再現し、さらに「皮層」には、竹炭粉末を使うことで特有の黒さを再現している。 また、"うなぎの蒲焼" 特有の「見た目」は、3層の生地を専用の金型に詰めて蒸した後、タレを塗り、炙って焼き目をつけることで表現している。同社では "栄養改善" と "持続可能な食料システム" の実現に向けたコミットメントを「東京栄養サミット2021」に合わせて策定。豊かな日本の食文化を守ることを目的とした「プラントベースうなぎ」の開発と商品化を進めることで、"持続可能な食料システム" の構築へ貢献したいとしている。