韓国食品研究院「食品中のPFAS検出技術」開発
執筆者:shirai
韓国食品研究院食品分析研究センターは11日、食品に含まれる可能性のある有害化学物質「過フッ素化化合物(PFAS)」を検出する新たな技術を開発し、これに基づく米の分析法が国家標準試験法(KOLAS)として登録されたと発表した。PFASは耐熱性や撥水性、防汚性に優れ、食品包装材や調理器具、生活用品などに広く使用されてきたが、環境や人体に蓄積されると発がん性の可能性、免疫機能の低下、ホルモンかく乱などの健康リスクがあるとして、欧米では使用制限が進められている。韓国では飲料水に対するPFAS規制は整備されているものの、食品中の検出体制は不十分な状況が続いていた。研究院によると、今回の分析法は米だけでなく他の農産物や加工食品にも適用可能で、PFASを迅速かつ正確に検出できるとしており、従来は検出法が存在しないか、手法が複雑で現場での安全確認が難しかった中、今回の技術確立により食品安全管理体制の基盤強化につながるとしている。また、同センターは国際的に汎用されているQuEChERS(クエチャーズ)技術を導入し、サンプル前処理の簡素化や有機溶媒の使用削減に成功、従来よりも分析時間やコストを削減しつつ環境負荷の軽減にも寄与した。新たな分析法はKOLASの新規認証項目として正式に登録され、同時に既存30項目の認証更新も完了している。食品分析研究センターのチョ・ヨンソン所長は「今回の技術開発は韓国内における食品中PFAS安全性管理の出発点となるものであり、今後は適用対象を多様な食品群に広げることで安全性確保に貢献し、当研究院が国際的に信頼される食品安全管理機関としての地位を高めていきたい」と述べた。