堅調な粉乳相場(ラクトジャパン乳製品情報2月号から抜粋)

      執筆者:編集部

脱脂粉乳、全脂粉乳ともに相場は徐々に堅調に推移している。各サプライヤーによって価格差はあるものの、一様に上昇基調に転じている。オセアニアは、季節的要因により供給量に制限が出始めている。ここにきて見込みの生乳生産量が確保できずに、既契約を履行するのに精一杯で、新規のオファーを提示できないサプライヤーも出ている。オセアニア脱脂粉乳の確保が非常に難しくなってきている。EU は季節的に生乳生産量を今後伸ばしていく時期にきており、供給力のあるサプライヤーが増えてきており、EUR 建ての価格は徐々に軟化してきている。

EUEUの生乳生産量は、季節的に徐々に増加し始めている。概して例年通りの生産量を確保できているものの、ドイツ、フランスは、昨年の生産量を未だ下回っている模様である。脱脂粉乳に関しては、供給量が上がってきており、サプライヤーによっては競争力のあるEUR建て価格を提示してきている。この先、順調に生乳生産量が推移すれば、EU脱脂粉乳相場は更に価格競争力が出てくることが期待される。しかしながら、1月に入り、EUR高が右肩上がりで進んでおり、1 月頭のEUR/USD の為替は1.30 であったものの、現在は1.36 まで上昇している為、USD 建ての国際価格は割高になっている。現在オセアニア産脱脂粉乳と同等の価格レベルとなっていると思われる。全脂粉乳に関しては、現在国際市場で主流のオセアニア価格に比べて価格競争力は非常に乏しい。現行の全脂粉乳の国際相場では採算が合わず、積極的に生産を行い、販売を行うサプライヤーは極めて少ない。NZ 産を中心にオセアニア産全市粉乳に国際市場でのシェアを譲っている状況である。