鮮客萬来(人間交流の社交場) {八夜}

      執筆者:編集部

《外食交友語録》~仕事一途の人生観~  (肩書は当時のまま)

【36】日本ピザハット〈橋本 卓爾社長〉

「ピザハットは、アメリカのピザチェーンではトップの企業であり、日本においてもピザブームの先鞭をつけて開拓したと自負しています。これからは和風のアレンジをし、ファストフードの店舗展開を図っていきたいと考えています。その意味で食事とスナックのどちらにも行けるような販促展開と、一方では高級ニーズに対応できるメニュー開発も心掛けていきたいと思っています。」

「ピザを食べている層は、当初十代~二十代の人たちでしたが、その人たちも現在では三十代になっています。このあたりの人々はいわば固定層と捉え、今後は新たな十代~二十代の層にターゲットを広げ、いろいろなイベントやキャンペーンでの消費を喚起していきたいと考えています。また日本的食生活の中に、和風化した洋風メニューをどう生かしていくかが、今後のポイントではないか、と考えています。」

【37】キリンフードサービス〈新井 康夫社長〉

「西洋料理店、パブ、ビヤホール、ファミリーレストラン、ピザパーラーなど多様な業態を手掛けていますので、まず消費者のニーズを的確につかみながら、当面は内部固めを行い、新たな展開を図っていきたいと考えています。さらに伝統の重みを感じると同時に、過去の成果を踏まえた上で、その動向に合った店舗展開と販売促進に力を入れていきたいと思っています。」

【38】アービーズ・ジャパン〈戸林 幸雄社長〉

「“ローストビーフ”を前面に押し出し、ファストフード業界のグレードアップと消費者ニーズに対応した“新しい味”の開発を図り、市場規模を広げていきたいと思っています。」

「日本市場での展開に当っては、従来のハンバーガーに対し、高級な“ローストビーフ”を使ったサンドイッチということをキャッチフレーズに、同一のプライスゾーンで一段とグレードアップした味を提供していくことに力を入れています。この差別化戦略を最重点課題として、これからの方向性を見つめていきたい。」

【39】常盤軒〈小松 由於・取締役営業本部長〉

「大正12年の創業以来、今年で六十周年を迎えたのを機に新たな方向を定めて展開しています。事業としても“弁当”という一部門だけでなく、“レストラン”方式のものを推進していくということです。やはり“弁当”の将来性を考えると不安な面は出てきます。現状では確かにスピーディな弁当分野はニーズにマッチしていると思いますが、十年・二十年経過した時点で、果たして現在のニーズがそのままあるということは疑問だと思います。そうなる前に種々の模索を重ねて、新方向を見出していくべきと考えています。その第一歩が“居酒屋”の出店です。」

「新しい展開では、すでに出店した居酒屋スタイルのほかに、洋風レストランスタイル、ワインパブスタイル、ファストフードスタイルの三業態を出店しました。さらに駅を離れた市街地への出店を計画、大きく展開していきたいと考えています。言わば“駅構内からの脱皮”です。根本はその時代、時代の消費者ニーズに対応できる体制を作り上げていくことが必要だと思っています。」

【40】国際観光日本レストラン協会〈京極 高量専務理事〉

「専務理事という仕事がこんなに忙しいものとは思いませんでした。ただただ“忙しい”に尽きますね。これからの協会としては、まず第一に登録レストランの数を増やすことです。“推薦制度”を“登録制度”にするという業界の念願が叶った訳ですから是非、たくさんの登録レストランを増やさなければなりません。次は会員を現在の450社から1000社にすることです。会員が多ければ発言力も強くなります。さらに『国際ホテル・レストラン協会』との連携と交流も図っていかなければならないと思っています。」

【41】スエヒロ朝日〈上島 真一郎社長〉

「創業以来、一貫して“大衆路線”を歩み、いわば大衆に奉仕する精神を全社一丸となって行ってきたことが、今日、不況の嵐の中、差別化が図られ、順調な推移を示している原点だと思っています。今後も“大衆に喜ばれる食事の提供”をして個性化の『スエヒロ』の牛肉料理を生かしていきたいと考えています。」

「私どもの店は、明治43年の創業以来、七十数年の歴史を誇るビフテキ専門店としてスタート、当初からカタカナの“スエヒロ”を使っており、このネーミングがウケ、現在でも全く新しい響きに聞こえることが自慢となっています。当時から『肉はスエヒロ』という合言葉が出来、個性化・大衆化のオリジナリティーを大事に営業しています。根本は“料理・味・サービス”で、特に人材の育成を大前提に捉えています。」