<コンビ二創業戦記・別伝>「DCVS回想録」第1回

      2017/01/27  

「DCVS(ダイエー・コンビ二エンスシステムズ)回想録」(第1回)

<プロローグ

(株)ダイエー・コンビニエンスシステムズは、1989年(平成元年)3月、華々しく新発足した。その年、私は、55歳を迎えていた。

合併直後の1~2年は、旧サンチェーンと旧ローソンの間に、社風や仕事のやり方などの違いが少なからず存在し、当初は、社員たちもいろいろと気苦労なことが多かったものと思う。

そんな中で私は、2018年(平成17年)5月に引退するまでの18年間、60歳まで代表取締役副社長として、64歳まで相談役として、70歳まで常勤監査役として、72歳まで特別顧問ローソン親善大使として立場は変わったが、自らの使命は「社内の融和とコワーキングの体制つくり」と、当時は未だに底の浅かったフランチャイズチェーンとしての「本部と加盟店の信頼の絆」を強く、深くすることにあると確信し、自分なりに努力を重ね続けた積もりである。

合併後のDCVS社史は、既に2000年(平成12年)4月に、創業25周年記念事業の一つとして、『ローソン25年史・「LAWSON‘HISTORY・挑戦編』として刊行されている。

<合併直後のDCVS組織図>    <ローソン25年史の対談写真>

「ダイエー・コンビニエンスシステムズ」の会社としての表の歴史はその「25年史」に譲るとして、ここでは、私が直接関わった出来事や、思い出深いエピソードなどを、思いつくままにアトランダムに書いていきたいと思う。

従って、必ずしも時系列的にはならないだろうが、ご容赦頂きたいと思う。

先ずは何と云っても、オーナー福祉会の活動について回顧しておきたい。

<オーナー福祉会活動の思い出>(その1)

「ローソンオーナー福祉会」は、元来、加盟店と本部が会費を毎月対等に同額拠出して、加盟店の福祉共済活動を推進する目的で設立・運営されていた、旧サンチェーン・フランチャイジー共済会と旧ロ―ソンオーナー共済会とを、合併直後に統合した「DCVS加盟店共済会」が、平成4年(1992)に、改めて内容を整備拡充して再発足したものである。

再発足に当たっては、当初の共済会事務局長・坂毛勇さんが大変に尽力してくれた。

その後も、福祉会初代事務局長・狩野成之さん、2代目・小木曾信隆さん(故人)、3代目・亀川武士さん、4代目・野村利雄さんなど、続く代々の事務局長さんたちの耐えざる改善向上の努力で、現在では、加盟店オーナー家族や従業員のための福祉活動の面では、業界最高の水準に達して居るものと確信している。

「理事会について」

オーナー福祉会の運営に関する意思決定は、理事会が行い、事務と実務は事務局が遂行する。

理事会は、全国を加盟店舗数に応じて幾つかの地域ブロツクに分け、地域ブロツク代表の形で、それぞれの地域のオピニオンリーダー的なオーナーさんたちの中から、推薦選出した加盟店理事と、本部側の理事により構成される。

理事長は加盟店理事の中から、副理事長は本部を代表して本部理事の中から選出され、理事会の運営に当たるのである。

常務理事・事務局長は、本部が任命する。それぞれに任期があり、任期が終われば、新たな選出が行われる。

恐らく福祉会の運営は現在も、恐らく基本的には同じであろうと思う。

考えてみれば、私は約9年間、本部側を代表してオーナー福祉会副理事長を勤めたことになる。

その間私は、毎年定例の理事会やその他の会合などを通じて、第一期・第二期の有永篤理事長、第三期の三輪博理事長をはじめ、それぞれの期の理事さんたちとの熱い交流を深め、ローソンファミリーとしての特別な、強い心の絆を築いていくこととなったのである。

<第1期および第3期理事会メンバー>

理事さんたちは、元々は、それぞれに離れた地域でお店を経営して居るので、日ごろのお互い同士の付き合いは殆どなかったのであるが、理事会活動を通じて全国的な交流へと広がり、相互の同志的友情を、まるで幼馴染のように、急速に深めるようになっていく。

定例理事会は、共済会時代も含めて、全国各地の商圏や店舗視察も兼ねて、有永理事長時代は年一回、三輪理事長時代には半期毎に年二回と、順次開催された。

私が出席した定例理事会は、次の通りである。

<開催年月>                <開催場所>

平成 3年(1991)5月ー「共済会」ー京都国際ホテル

平成 4年(1992)5月ー「福祉会」ーホテルセントラーザ

平成 5年(1993)5月ー「福祉会」ー神戸オリエンタルホテル

平成 6年(1994)6月ー「福祉会」ー札幌テルメインターナショナルホテル

平成 7年(1995)6月ー「福祉会」ー福岡シーホークホテル

平成 8年(1996)上期6月ー「福祉会」ー神戸メリケンパークオリエンタル

下期11月ー「福祉会」ー霧島ロイヤルホテル

平成 9年(1997)上期 6月ー「福祉会」ー札幌北広島プリンスホテル

下期11月ー「福祉会」ー沖縄残波岬ロイヤルホテル

平成10年(1998)上期 6月ー「福祉会」ーホテル青森

下期11月ー「福祉会」ー土佐ロイヤルホテル

平成11年(1999)上期 6月ー「福祉会」ー秋田ビューホテル

「理事会の議事と懇親会」

理事会では、前期の活動(福祉会の現状、保険加入状況、弔慰金・傷病見舞金・慶弔見舞金など給付状況及び、「安心・健康・ゆとりの向上」をテーマにした人生設計セミナーの参加状況や健康診断、契約リゾート・保養施設の利用状況など)の報告、そして決算報告の承認が行われ、次いで次期の主要活動計画、及び予算を熱心に審議して決定が行われたのである。。

私は理事会では、必ず時間を設けて、その時点におけるコンビ二業界の現況と会社の方針に付いて説明し、理事さんたちの理解を深める機会とした。
理事会終了後は、理事会全員で懇親会を和やかに開催することが恒例であった。

<理事会および懇親会風景>

(有永理事長と筆者)                   (理事会メンバ)ー

この懇親会は、本部側から、平成6年度までは松岡社長、その後平成12年度までは藤原社長、平成13年度からは新浪社長を初め主要役員が出席して、相互の挨拶と多面的な意見交換を行い、本部経営陣と理事さんたちとの間の親しく人間的な交流と信頼を深める機会となっていく。

翌日は、観光組とゴルフ組に分かれて、更に親交を強固なものとしていったのである。

私は現在ゴルフが大好きで、とは云っても未だにアべレージ・ゴルファーの域をでないが、何を隠そうゴルフに本格的にに取り組み始めたのは、約20年前の最初の理事会ゴルフで、大叩きし赤っ恥をかいたことがきつかけであつた事を申し添えておきたい。

後日改めて、ゴルフの思い出を書き加えたいと思っている。

やがて全国の理事経験者の有志が、「有三会」「富士山会」などの「理事OB会」を作り、毎年親睦会やゴルフ会,海外ツアーなどを開催するようになっていく。年々新しい参加者も増え、次第に盛大となり、現在も同志的付き合いが続いている。

私は退職後も、毎回必ず参加して、旧交をあたためることにしている。。

次号では、福祉会活動の中で、非常に重要な役割を果たした一般加盟店に対する「ローソン人生設計セミナー」活動に付いて振り返りたいと思う。

【2014年3月・追記】

2014年(平成26年)1月、ローソンオーナー福祉会初代理事長・有永篤さん(80歳)が急逝されました。

ローソンオーナー福祉会の草創期の運営に、献身的にご努力いただきました。

生前のご厚誼に心から感謝を捧げ、、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

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