食の食(6) 郷土料理「しもつかれ」 2/8
執筆者:編集部2
栃木に住む友人から「しもつかれ」が送られてきました。この「しもつかれ」は北関東地方の伝統郷土料理で初午の日につくり、赤飯と共に稲荷神社に供え、無病息災を祈る行事食です。もともと江戸期の飢餓の時に救荒食としてあったものといわれ、発酵させ保存食でもあったものです。 友人の家の近所は家々でこの時期「しもつかれ」をつくり、お互いやりとりするそうです。つくり方が違い、味も違うので楽しんでいるという家庭料理の1つです。なにか「七軒の家々のしもつかれを食べると病気にならない」と昔から言われているそうです。 この「しもつかれ」は実は立派なエコな料理です。現在の飽食時代、見習うことがたくさんあります。
材料は、1.鮭の切り落としの頭 2.節分で残りの煎った大豆 3.野菜(大根、人参など)の端っこ余りもの 4.大根の粗くおろしたもの 5.酒粕 6.家によっては油揚げ などです。これを煮込んでつくります。調味料は一切用いず、鮭と酒粕で加減して味を整えるそうです。
ここにいくつかのヒントがあります。
1.食材を残さず全てを使う。もったいないの精神
2.食材のもっている本来の味を出す(調味料なし)
3.伝統の発酵保存食
4.家々に違ったつくり方、味がある(どれも同じ統一商品ではない)
地元の学校給食にもでるそうですが、ファストフードの味に慣れている子供の中には食べられず残す子もいるようです。
行事食は歴史、文化、伝統を知り、食の原点を味わう、絶好の機会で時々ふれ、日常忘れかけている食のありがたさをとりもどしたいと思います。
温かいご飯に「しもつかれ」をのせていただきました。