【7月号】 伝統野菜は、タネを通して今日まで命が繋がっている。

      執筆者:auc_shonin

JA東京中央会が、江戸東京野菜の認証委員会設置に向けた動きを加速している。

京野菜、加賀野菜等、伝統野菜のブランドは定着しているが、東京でも平成元年に、伝統野菜のタネがこのままではなくなってしまうと云う危機感に襲われ、その頃からタネ探しは始まっていたが、認証制度までは話が進まなかった。

しかしその後、後発の「なにわ野菜」、「やまと野菜」などが制度を確立している。

5月に放送されたNHK「視点論点」でお話したが、伝統野菜は物語で伝えていくことが大切だと話した。

伝統野菜の先進県では、固定種にこだわったら、数も少ないし、流通にも乗り辛いからと一部交配種(F1)も、含めているところがある。

しかし、江戸東京野菜は、固定種にこだわりたいと思っている。

 

江戸時代、徳川綱吉がまだ、将軍になる前からの物語が伝わる「練馬ダイコン」は、当時から今日へ、タネを通して命が繋がっている野菜で、タネが採れない交配種の野菜とは基本的に違う。

よく、「綱吉が食べていた大根と、まったく同じものか・・?」と聞かれることがある。

それはそうではない、固定種は、揃いが悪いから色々な形( 性質も含む )のものが出来る。それを使い勝手によって、その時の生産者が選定してその種を繋いできている。

言いかえればその時代々の人達が必要とした形を残してきている。

それはその時代を通過した証で、その時代の人達の思いや、食文化も今の練馬ダイコンには込められ伝えられて来ている。

我われは、考古学的に野菜を見ているのではなく、江戸から今日までの人々の生活込められたのを一緒に食べているのだ。

 

そこに、物語が生まれる。

練馬ダイコンは、現在、渡戸章さん、白石好孝さん、五十嵐透さんの3人が話しあって、3タイプのタネ採りが行われていて、次世代に伝えようとしている。

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江戸東京野菜は、江戸からの伝統と季節を味わう野菜で、もちろん地場野菜です。

地方からやってくる季節の先取り野菜より、ずっと個性的です。 

(農産物の生育は天候に左右されますので、収穫予定は変わることがあります)

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