鮮客萬来(人間交流の社交場) {七夜}
執筆者:編集部
《外食交友語録》~仕事一途の人生観~ (肩書は当時のまま)
【31】井村屋製菓・アンナミラーズ事業部〈浅田 剛夫部長〉
「昭和48年6月、青山に一号店をオープンしてから今年の6月で十年目に入るわけですが、これからも派手なイベントは行わず、現在までの九年間の問題点・課題点を掘り起こし、一つずつ踏みしめて新しい創造を切り開くことを考えています。言わば一通過点と捉え、より一層社内の融和と、接客サービスの原点を見つめたいと思っています。」
「アンナミラーズ・カミサリーでの人材育成・内部システムの充実から、生産・配送まであらゆる面で前進を図り、アメリカのスタンレー社長の言である『着実に出店し、内部充実を図れ』を念頭に、全社一丸となった姿勢を堅持していこうと努めています。」
「もともと菓子メーカーからの出発でもあり、見るもの聞くもの真新しいことばかりで苦労はしました。しかし、それがかえって“やるしかない”という知識追求の意識を呼び起こし、今日まで来られたのだと思っています。下手な先入概念がなかったことが逆に良かったのだと思っています。その一方で、現在まで二千名以上のパートの人たち、お客様一人一人のおかげでここまで来られたのだと感謝しております。」
【32】伯養軒・ミルキーウェイ事業本部〈伊藤 俊二本部長〉
「東北新幹線の開通で、外食業界の東北地図が大きく変わるのではないでしょうか。またこれを起点として、当社も原点に返って大きな変革を指向しています。地方の時代に即した展開を図り、意識は中央に置くものの、地方独特の地域性、消費者ニーズの対応に全力を上げていくことを肝に銘じています。」
「ミルキーウェイの前進も考えており、“ジャパン・ライン=ミルキーウェイ・ライン”の方向も明確にしながら、全社一体となつた展開を図っていきます。一方で、東北地区だけというのではなく、全国的なブロック体制強化ということを考え、『地域間の連帯=組合』といった捉え方で、業界全体のシェア拡大を図っていくことも今後の課題と考えています。」
【33】日比谷松本楼〈小坂 哲瑯社長〉
「フランス料理80年の歴史の重みを肌に感じ、その重要な位置づけと老舗性を大事にし、時流にかなった店舗展開を図り、技術力を深め、『お客様にどう感謝の気持ちを表現していくか』が、今後の私に課せられた命題と捉えています。同時に四代目社長にバトンを渡すため、特に三代目が大事であると痛感しています。」
「顧客ニーズは従来から集会やパーティ会場として、時代が変わっても“松本楼の味”に親しみを持っておられるものと感じています。当店が今日まで来られたということは、こうしたいろいろなお客様のご支援があったればこそと考えておりますし、時代の流れに合った料理の研究、研鑚の影の演出者として、同時に多くの先輩・先人の方たちの足跡がトータルで作用しているからと感じています。これにどれだけ応えていけるかが、私の今後の課題と肝に銘じています。」
「明治、大正、昭和という歴史性と、“コーヒー&カレー”のモダンな文化性、チャリティーという社会性、庶民性の四つがポイントで、今後も仕事を通じて社会への感謝を表現していくために『9月25日・十円カレー』は続行していきたいと思っています。」
【34】ニューまごころチェーン〈赤木 正雄社長〉
「私どものようなサービス業は、先行投資と宣伝力が大きくモノをいう世界です。そのために全力を傾注してそれに対応し、力をつけながらスケールメリットの追求に前進していきたいと考えています。全社が一丸となり、直営店・FC店の全員が協力し、お客様とのコミュニケ―ションを大切にしながら販売体制の強化を図っていきたいと思っています。」
「従来のフランチャイズシステムには何かと問題がありましたが、我が社のシステムはジー側に立った方向で経営指針を明確に打ち出し、食・資材の供給でも他のチェーンには見られない独自のシステムをとっております。さらに従業員教育の徹底を推進し、あらゆる面での差別化を図っていきたいと思っています。“ボリューム・品質・価格”、この三本柱が骨格で、将来的には全国に地区本部を確立し、セントラルキッチンの導入も考えております。」
【35】つぼ八〈石井 誠二社長〉その②
「居酒屋に来るお客様は、憩いと、明日へのエネルギーを補うために飲みに来るので、その店のムードを大事に、とにかく安いもの、新鮮なもの、旨いものを提供し、ニーズに対応しなければならないと考えています。そのため社訓の第一に『大衆と共に永久に栄えよ!』と示し、従業員一同が心を合わせて経営に当っている訳です。」
「『北海道つぼ八』で示してきた当社の方針は、“人口二万人に一店”ということで、このノウハウで全国津々浦々に出店していくことを考えています。加盟店の方たちにも“努力・やりがい”のある職場の演出で、強烈なキャラクターを出してもらおうと思っています。それだけ時流にかなった店舗展開と自負しておりますし、味の点でもムードの点でも、従来の居酒屋とは差別化わしていきたいと考えています。」