健康ニュース 3月1日号 妊婦・胎盤・九について

     

隣家のインテリ夫人「先日お聞きした妊婦さんと酸っぱい物の話、皆さんに大好評でした。ありがとうございます。ただある友人が、『妊娠初期の胎児が出す有害なものを母体の肝臓で処理するというのは納得。でも妊娠中期以降は酸っぱい物を欲しがらないけれども、どうなの?】と質問されました。そういわれればそうですよね・・・」

隠居中の大御所 暈穀菜「素晴らしい友人を持っているね。今までそのような質問を受けたことはないね・・・」

隣家のインテリ夫人「先生もご存じないみたいですね。気になさらないでください」

隠居中の大御所 暈穀菜「馬鹿言っちゃいけません!。あの時は君が急いでいたようだから話さなかっただけだ。今日は時間がありそうだから話そう。九州大学の木本英治医学博士が、〝胎盤-ラエンネックの栄養因子〟(開成出版)の中で述べていることを紹介するよ。《受精卵が細胞分裂を繰り返す時期に胎盤ができ16週ごろに完成。この胎盤が胎児の肝・肺・腎臓・消化器の機能の代わりをする。さらに肝臓同様胎児にとって異物の解毒処理も行う。胎児の発育により胎盤機能は随時胎児の肝臓機能に代わっていく》とある。つまり妊娠初期にのみ酸っぱいものを欲しがり、中期以降は求めないのはこういう理由だというわけだ」

隣家のインテリ夫人「なるほどね、良~く分かりました。今度友達に会った時に説明しておきます」

隠居中の大御所 暈穀菜「ついでに付け加えて言っておきなさい。野生の動物は出産した後、へその緒を噛み切るのだが、そのあとはどうすると思うかな。聞いたこともないだろうね。答えは、胎盤を食べるのだよ。胎盤には様々な栄養素が含まれており、食べることによって、しばらく食事をしないで済むということが一つ。もう一つは胎盤に付着した血の匂いを嗅ぎつけ、赤ちゃんが餌食になってしまうので、それを防ぐために食べるのではないかという説もある。いずれにしても自然界は良く出来ているものだと思わないかな」

隣家のインテリ夫人「本当にそうですね.今日はまた勉強になりました。ありがとうございました」

隠居中の大御所 暈穀菜「ところで妊婦さんに良い食べ物の一つに、九(く)という果物があるのを知っているかな?」

隣家のインテリ夫人「九?なんですか?そんな果物聞いたこともありませんわ」

隠居中の大御所 暈穀菜「漢字では無花果と書く。イチジクだよ」

隣家のインテリ夫人「イチジクを無花果と書くことは知っていましたが、九が何故イチジクなのですか」

隠居中の大御所 暈穀菜「頭の回転が悪いね。九が一字でイチジクだろう?まだ分かっていないようだな。家に帰って布団の中でゆっくり考えたら良いだろうな」

隣家のインテリ夫人「・・・。あ~っ、分かった!とんちですね。友達にも教えよう!面白いです」

隠居中の大御所 暈穀菜「そのイチジクには女性ホルモンのエストロゲンや葉酸、鉄分、それと妊婦に多い便秘に効果的なペクチンなどが豊富に含まれているのだよ。そうだ、イチジクのドライフルーツをいただいたから、それを肴に一杯やろう。久しぶりに焼酎でも飲もうかね。もちろん妊娠の心配ない君は、美容効果を期待して食べるのが良いと思うよ」