ビール酒造組合「ビール等飲用動向と税金に関する調査」

      執筆者:motoe

ビール酒造組合ならびに発泡酒の税制を考える会では、今年度の「ビール・発泡酒・新ジャンル商品の飲用動向と税金に関する調査」を実施(2002 年より毎年実施)した。主な調査結果は、ビールを飲む理由として「おいしいから(81.9%)、「飲みごこちがよいから」(48.3%)、「味や品質がよいから」(40.5%)といった“味”に関わる理由がトップ3。発泡酒、新ジャンルについては「おいしいから」など“味”に関する理由も少なくないが、「安いから」が1位、「家計の助けになるから」が5番目の評価となるなど価格面が最大の理由となっている。また、2020年10月にビールが減税、新ジャンル商品が増税になるが、そこで、仮にビールが1缶(350ml)あたり10円安くなった場合の飲用量の変化を聞いたところ、「増える」は2割弱(16.8%)。一方、新ジャンル商品が仮に10円高くなった場合では、飲用について「減る」または「飲むのをやめる」は計3割(30.4%)で、ビールが「増える」割合より高くなっている。平成29年度(2017年度)の税制改正により、日本のビール・発泡酒・新ジャンル商品の酒税額は、2026年10月に1キロリットル当たり 155,000 円に一本化されることとなったが、これに伴い、ビールは、1キロリットル当たり65,000円の減税となる一方、発泡酒は20,750円の増税、新ジャンル商品は75,000円もの増税となる。これは、同じ発泡性酒類に分類される「その他の発泡性酒類」の1キロリットル当たりの酒税額100,000円とは大きな格差がある。さらに、2026年にビール系飲料の税負担が、小売価格の36%程度になると予想されるが、仮に、ビールが20円値下げされると2割強(21.7%)が、30円値下げでは3割強(32.0%)が飲む量が「増える」と回答。一方、新ジャンル商品では、20円値上げで4割強(41.8%)、30円値上げでは半数近く(47.8%)が、飲む量が“減る、または飲むのをやめる”と回答している。上記の結果から、ビール類の酒税が一本化される2026年の税制改正による飲用動向への影響が懸念されるとしている。