キリン「シチコリン」設備 協和発酵山口事業所に増設

      執筆者:shirai

キリンホールディングスとその子会社である協和発酵バイオは、将来にわたる世界的な「シチコリン」の需要増加を見据え、協和発酵バイオ山口事業所に「シチコリン」の製造設備を増設する。なお、新設備は、2023年夏頃の稼働を予定している。「シチコリン」は、世界各国で長年にわたり脳疾患の治療薬や認知機能の向上をサポートする健康食品等に利用されている素材で、各国で高齢化が進む中、急激に需要が高まっている高機能素材。また、2018年から2023年における世界のe-スポーツ市場の年平均成長率が15%と予測される中、集中力を高めパフォーマンス向上が期待されるシーンが増えており、そのような中、「シチコリン」は、米国でエナジードリンク向け素材としての需要が拡大している。このたびの生産体制増強により、協和発酵バイオは「シチコリン」の、他社医薬品・健康食品メーカーへのグローバルな安定供給体制を整える。さらに、将来的には、「シチコリン」を同グループでの商品開発にも活用していきたいと考えている。同グループは、長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」を策定し、「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる」ことを目指しており、その実現に向けて、既存事業の「食領域」(酒類・飲料事業)と「医領域」(医薬事業)に加え、同グループが長年培ってきた高度な「発酵・バイオ」の技術をベースにして、人々の健康に貢献していく「ヘルスサイエンス領域」(ヘルスサイエンス事業)の立ち上げ、育成を進めている。 協和発酵バイオは、「脳の健康」を支える「シチコリン」を安定供給し、加齢に伴う脳機能低下予防、集中力やパフォーマンスの向上といったニーズに応え、「健康」に関する社会課題の解決に貢献するとともに、長年培ってきた最先端の発酵技術を生かし、将来的には高収益型のプロダクトパイプラインを多数持つグローバル・スペシャリティ発酵メーカーを目指す。【設備投資の概要】■稼働開始時期:2023年夏ごろ(予定) ■導入工場:協和発酵バイオ株式会社 山口事業所(山口県防府市) ■製造対象製品:シチコリン ■投資額:約77億円