キリン「CDP/Aリスト」3年連続選出

      執筆者:motoe

キリンホールディングス(社長:磯崎功典)は、環境情報開示システムを提供する国際的な非営利団体であるCDPにより、気候変動および水セキュリティの「Aリスト」企業に選出され、12月7日に発表された。気候変動および水セキュリティの両指標で「Aリスト」に選出されるのは、3年連続となる。同社は2020年2月に2013年に策定した環境ビジョンを改訂し、新たに社会と企業のレジリエンス強化へ向けた長期戦略「キリングループ環境ビジョン2050」を策定。ネガティブインパクトの最小化にとどまらず、社会にポジティブなインパクトを与え、地球を次の世代につないでいくことを目指して取り組みを進めているが、ビジョンの中では、「生物資源」、「水資源」、「容器包装」、「気候変動」を当社の事業で取り組む重要な4つのテーマとして定めている。同社では、今回の「気候変動」「水セキュリティ」における「Aリスト企業」選定について、①「2050年のカーボンニュートラルを目指し、SBT(Science-based Targets)イニシアチブ(SBTi)の新基準「1.5℃目標」(2030年までに2019年比で、グループ全体のScope1とScope2の合計を50%、Scope3を30%削減)の承認取得、および「RE100」への加盟(2040年までに使用電力の再生可能エネルギー100%を宣言)」、②「具体的なGHG排出量削減として、徹底した省エネ活動に加えて、燃料転換の実施、国内自社ビール工場へのヒートポンプの導入、太陽光発電や風力発電、水力発電由来の電力の活用、排水処理設備から得られるバイオガスを利用した発電などの再生可能エネルギーの活用、国内ビール工場で購入する全電力の100%再生可能エネルギーを宣言(21年からキリンビール名古屋工場で開始)、PPAモデルによる太陽光発電電力の導入」、③「グローバルに展開している製造事業所における流域の水リスク評価とリスクを反映した戦略の策定実行、「キリン 午後の紅茶」の主要な原料紅茶葉生産地であるスリランカにおける農園内での水源地保全活動、業界に先駆けて実施している水源の森活動の継続」、④「日本の食品会社として初めて賛同を表明した気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言が求めるシナリオ分析の情報開示と戦略への反映(温暖化による農産物収量減による調達コストやカーボンプライシングによるエネルギー費、および水リスクや水ストレスによる財務インパクトの把握、気候変動に伴う感染症や熱中症に対する社会課題解決による事業機会の把握など)」が評価されたものと考えているという。