第809話 江戸ソバリエに感謝状

     

          =日本蕎麦会議所例会より=

 日本蕎麦会議所(現理事長:吉田修)という特定非営利活動法人の団体があります。
 『蕎麦春秋』の編集長だった四方洋さんが立ち上げた蕎麦愛好団体です。
  その交流会が令和4年9月3日、小松庵本店(駒込)で久しぶりに開催されました。先ずは、小松庵の蕎学洞(工場)見学と、農水省農産局地域作物課の水野秀信様の「そばをめぐる状況について」のご講演。そして大江沙那さんのヴァイオリンと西本咲希のピアノ演奏会に、食事会。
  この食事会の前に、小生が感謝状を頂くことになりました。最初に話をいただいたとき、私ごときにと思いましたが、「江戸ソバリエ」が認められたのだと思い直して、ありがたく頂戴することにしました。
  重ねて大正11年(1922年)創業の小松庵様は、今年の令和4年(2022年)で創業100周年にあたります。
  ある意味では、相祝いとなった今日の御献立は、蕎麦、寿司、鰻、揚げ物の江戸四大食をとり入れた料理と、ポタージュ、ムース、チーズの洋の料理を織りまぜぜたものでした。

《御献立》
 先付  冷製かぼちゃの蕎麦ポタージュ
 前菜  蕎麦ムース 鴨つくね チーズ焼 鰻ざく
 変わり蕎麦  蕎麦寿司三種 雲丹  いくら ずわい蟹
 揚げ物  串揚げ四種 国産牛ヒレ 車海老 玉葱 茄子
 蕎麦  生粉打ちせいろ 栃木県益子町産常陸秋そば

 日本の蕎麦は、江戸中期に「江戸蕎麦」という形で〝標準化〟されたからこそ、麺の王者として不動の地位を得たことは蕎麦界では知られています。
  小松庵様は、その江戸蕎麦を新しく「東京蕎麦」という形にしようと尽力されています。
  それは出店計画、店舗設計、料理の工夫はもちろんのこと、何よりも従業員を正社員にすることや、蕎麦屋で恋人や夫婦や家族が晩餐会をしてくれるような店したいとの思いをもっておられることだ。また最近は小松庵様のように新しい方向を模索されている蕎麦屋さんが各地で見られることも確かです。
   江戸ソバリエは、そういう江戸蕎麦、東京蕎麦、日本蕎麦の蕎麦屋さんを応援していきたいとあらためて思う次第です。 

 (なお、駆けつけていただいた江戸ソバリエの砂野ご夫妻様、小池ともこ様、齋藤利恵様に心から御礼申し上げます。) 

                       〔江戸ソバリエ協会 ほし☆ひかる〕