健康ニュース 2月1日号 豆まき注意報発令か?
2月3日は節分で、各地では豆まきが盛大に行われることでしょう。
豆まきについて少しだけ考えてみました。
豆を撒く対象が鬼なのは何故でしょうか?
古来、鬼は邪気を意味し、災害・病気・飢餓など不幸を呼ぶ魔を意味しています。そして鬼は風水で言う鬼門に住んでいると言われ、これは暦で言う丑寅(うしとら)の方向になります。従って多くの方が想像できるように、鬼の姿は牛の角があり寅の皮の褌(ふんどし)をしています。
この鬼を目がけて豆を撒くのは何故でしょうか?
鬼の目を目がけて豆(マメ)を撒く→魔の目を目がけて豆を撒く→魔が目つぶしに合い見えなくなる→我が家に悪魔が来なくなる。こういった意味があるようです。
何故炒った豆を投げるのでしょうか?
炒る→射るに通じ、鬼の目を射ることによって鬼が目つぶしに会い我が家への道を分からなくする、と書いてある文献・資料・書物が多いです。
何故、炒った大豆なのでしょうか?
生の大豆だと、やがて芽が出てくるかもしれません。豆(マメ)から目が出る→魔から芽が出る!ということを恐れたのでしょう。
また煮た大豆では、鬼を目がけて投げた瞬間にぐちゃぐちゃになり拾って食べることは不可能です。
炒った大豆が使われた理由は他にもありそうです。
節分に豆まきが定着した時代は、疑う余地もなく食料不足の時代でした。たとえ小さな豆一粒でも無駄にすることは許されることではない時代です。
では何故大豆なのでしょうか?他の豆ではいけないのでしょうか?
大豆成分の特徴は、必須アミノ酸が比較的バランス良く配合されていることです。畑のお肉と言われている所以もそこにありそうです。
豆まきが始まったころ、多くの人は栄養が十分摂れているとは言えない時代でした。そこから、歳の数だけ拾って食べるという習慣が出来上がったようです。現代風に言えば、高齢者の蛋白質不足を解消する対策だったと言えるかも知れません。
こういった理由から、豆まきに大豆が選ばれた背景があると考えます。加えて大豆以外の豆は、煮ないと食べることができません。万が一、炒った豆を食べると激しい食中毒を起こしかねません。
さて、今現在の豆まきについて消費者庁は次のような注意事項を呼び掛けています。
・五歳以下の子供には硬い豆を食べさせないこと。
硬い豆を大人同様にかみ砕いて食べるようになるのは、おおむね六歳以降ということです。従って固い豆やナッツ類はNGということです。
・高齢者は誤嚥に注意すること。
高齢者は口中の水分が少なく、口中で炒った大豆がバラバラになり誤嚥しやすい状況下になりがちとのことです。
悪魔退治の豆まきが、不幸な結果を呼び込まぬように注意しましょう!
時代は変わりつつあります。節分に撒く大豆に代わり落花生を使うことが多くなっています。その理由の一つとして、炒った大豆を拾って食べるのは衛生上問題がある。落花生だと、皮をむいて食べるので衛生上問題がない、ということです。
落花生を撒いている東北地方の関係先に取材をしたところ、衛生上だけの問題ではないようです。雪国では、落花生だと比較的大きくて雪の上でも見つけやすいという理由もあるようです。たとえ豆一粒でも無駄にはしないという昔からの言い伝えが生かされている気がしますね。伝統行事が時代の流れに沿い少しずつ変わっていくのも仕方ないことでしょう。大豆に代わって落花生でもOKとしましょう!