矢野経済研究所「飲料市場に関する調査結果」発表
執筆者:motoe
矢野経済研究所(代表取締役社長 : 水越孝)は、国内の飲料市場を調査し、飲料カテゴリー別の動向、流通ルート別動向、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。調査結果の概況としては、2024年度の飲料市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年度比102.3%の5兆2,800億円と拡大し、猛暑・備蓄需要が寄与したことで4年度連続の成長。ただし、販売数量は前年度並みで推移しており、実質的な市場成長とは言い難い状況。市場拡大の背景には製品価格の上昇が大きく寄与しており、構造的な需要の増加とは切り離して評価する必要があるとしている。また、消費者の節約志向は継続しているものの、段階的な価格上昇を経て価格慣れが進んでおり、再値上げ時にも大幅な需要減少は見られなかったことで、販売数量は前年度水準を概ね維持。ただし、各飲料カテゴリーの金額ベースの成長の多くは価格改定に起因しており、数量ベースでの実需要の拡大には限界が見え始めているという。注目のトピックとしては、記録的猛暑により止渇需要が高まり、ミネラルウォーター市場が金額・数量ベースともに伸長。PB(プライベートブランド)商品は価格訴求で存在感を強めた一方、NB(ナショナルブランド)商品もブランド力や新商品投入により堅調に推移し、例えばサントリー「天然水」では1Lサイズの製品が新たな需要層を獲得した。各種茶系飲料市場も底堅く、日本茶では各社の主力ブランドである「伊右衛門」「綾鷹」「生茶」が大幅刷新を実施し、市場活性化に寄与。また、「お〜いお茶」は著名選手の起用により注目を集めたほか、茶系飲料では、無糖・健康志向の定着と「濃い系」商品の拡大が継続的な需要を支えているとまとめている。【出典資料について】■資料名:2025年版 飲料市場の現状と展望 ■発刊日:7月31日 ■体裁:A4 508ページ ■価格(税込):198,000円 (本体価格 180,000円)