健康ニュース 5月15日号 たばこ問題に思うこと
2020年の東京五輪・パラリンピックに向けタバコに関する情報が飛び交っています。最も話題となっているのは飲食店を原則全面禁煙にするか否かについてでしょう。この問題は受動喫煙をどう理解するかに尽きるのではないでしょうか。
医師会は「受動喫煙は健康にとって有害。室内は全面禁煙にすべき」と主張し、客離れを懸念する飲食店などの業界は、商売に影響が出る、客の入りが悪くなりやっていけなくなるなどの声で混乱が続いています。
中には愛煙家の権利も認めるべきとか、喫煙者はタバコ購入時に税金を払っている、という前時代的な論を述べる方もおられます。
国会議員さんらはもっと真剣に議論をし続けて欲しいものです。
喫煙率が年々減少している事実をどう理解しているのでしょうか。
2016年の日本たばこ産業(株)の調査によれば、男性の喫煙率は30%を切り、女性のそれは9%台です。全体でも喫煙者率は20%を切っています。
全面禁煙にすると商売が成り立たないというなら、それなりの条件を付けて認めると良いのではないでしょうか。
世界保健機構(WHO)では喫煙者は非喫煙者と比べ様々な疾患になりやすいと発表していますが、誰もこの点は否定しないと考えます。
健康を害しても喫煙をしたいなら、どうぞお吸いになれば、と言わざるを得ません。喫煙者にも権利がある、と言っているのですから・・・。
その条件とは、喫煙可能店は認可制にする。従業員もすべて喫煙者とする。入店者は健康を害することを覚悟しているので、従来の会計に喫煙税率を上乗せし、禁煙店より明確に高くする。日夜喫煙者で賑わうのではないでしょうか。
さらに喫煙者個人も喫煙がもたらすリスク負担を考えてもらうべきです。病気になる可能性が高いことを承知の上での喫煙です。非喫煙者と同じ健康保険負担率で良いとお考えでしょうか。非喫煙者が病気になる率の高い喫煙者の保険料をなぜ負担しなくてはいけないのでしょうか。これは不平等とお考えになりませんか。差があってこそ平等です。
「唾液チェックの結果、あなたは喫煙者ですね。したがって健康保険自己負担率は5割です」とならなくては不公平です。
生命保険会社の話によると「コチニン検査」というものがあり、唾液を付けるだけで一年前までの喫煙習慣ならウソを言ってもばれるそうです。もっと厳しくするならば、スポーツ界のドービングテストでもって喫煙歴の有無を調べる方法もあります。
「受動喫煙による非喫煙者の被害は明らかにもかかわらず規制を反対する議員は、自身が愛煙家か、業界から献金を受けているかのどちらかだ」と日本禁煙学会はホームページで公開しています。大手のメディアがその事実を知らないということはないでしょう。メディアの言う正義はどこに言ったのでしょうか。