キリン「バイオ炭施用」に関する共同研究を開始
執筆者:shirai
キリンホールディングスの飲料未来研究所は、栃木県農業総合研究センターと早稲田大学と共同で、栃木県農業総合研究センターの大麦試験圃場において、バイオ炭施用によるビール大麦の生育状況、土壌改良の効果、土壌の微生物への影響などを測定する研究を2024年10月より新たに開始する。キリングループは、ビールの原材料としてビール大麦を使用しており、同研究を行うことで、環境再生型農業の可能性を探索しつつ、ビール大麦試験圃場の土壌における生物多様性評価の一層の高度化、気候変動の緩和とともに、脱炭素社会の実現を目指す。同研究では、栃木県農業総合研究センターがビール大麦の生育・収量への影響および土壌の物理性・化学性の改善効果を解析。早稲田大学が土壌における微生物解析を行い、バイオ炭による土壌の微生物への影響と土壌改良の効果を測定する。同社は、祖業のビール事業を通じた強みである発酵・バイオテクノロジーの先進技術を生かし、試験計画の立案、解析データからのメカニズムの考察、および当研究全体の取りまとめを行う。共同の取り組みでは、農地にバイオ炭を施用することによる効果を検証することに加えて、J-クレジットへの申請を前提にした炭素貯留量の算定も予定。基礎研究の位置づけで取り組みを進めながら、畑へのバイオ炭施用の効果を測定することで技術的知見を蓄積し、将来的にはビール大麦栽培農家におけるバイオ炭施用の普及、そして、GHG排出量削減に貢献することも期待している。<参考>・キリングループ環境ビジョン2050 https://www.kirinholdings.com/jp/impact/env/mission/ ・キリングループ「環境報告書2024」 https://www.kirinholdings.com/jp/investors/library/env_report/ ・「シャトー・メルシャン 椀子ヴィンヤード」にて農研機構との新たな共同研究を開始 https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/release/2024/0327_03.html