キッコーマン「しょうゆのフレーバーホイール」作成

      執筆者:motoe

キッコーマンは、業界で初めて、しょうゆの特徴を表現する用語を体系化したしょうゆの「フレーバーホイール」を作成。その成果が、米国科学雑誌Journal of Sensory Studies(2016年8月8日発行)および日本食品科学工学会誌の2017年7月号(7月15日発行)に掲載された。
「フレーバーホイール」とは、ある食品から感じられる香りや味の特徴を、類似性や専門性を考慮して円状かつ層状に並べたもので、その食品に関わる人や愛好者が香りや味について共通認識を持ち、コミュニケーションを行うためのツール。世界中で広く親しまれているビールやウィスキー、ワインなどでは、生産・流通・販売に関わる人や消費者が共通の言語で品質を評価したり、料理との相性を語るために、「フレーバーホイール」が積極的に使われているが、同社では、官能評価の一つの手法であるQDAを用いて、世界中から集めた149銘柄のしょうゆ(火入れしょうゆのみ)の詳細な官能評価を行い、88種類の特徴を見出し、「フレーバーホイール」として体系化。また、すべてのしょうゆに共通し、“しょうゆらしさ”の形成に寄与する19種類の特徴を明らかにした。さらに、近年、日本では、年々火入れをしていない生しょうゆの市場規模が拡大していることから、生しょうゆと、比較対象とした通常のしょうゆ(火入れしょうゆ)を含めた12銘柄についてもQDAを実施。138銘柄のしょうゆから91種類の特徴を表現し、生しょうゆも含めた現在の日本のしょうゆ市場を反映したしょうゆの「フレーバーホイール」の体系化も実現した。
今回、しょうゆの「フレーバーホイール」を作成されたことにより、様々なしょうゆの味や香りを共通の言語を用いて表現できるようになることが期待されるほか、同社を含めた食品メーカーをはじめ、料理人、研究者など、しょうゆに関わるさまざまな方が「フレーバーホイール」を用いることで、しょうゆの品質について共通認識を持ち、商品開発や品質管理などに活用することが期待される。