目標4:【質の高い教育をみんなに】

     

すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

 

 

 

 

 

 

目標4のターゲットを俯瞰しますと、ひとつだけ「2020年までに」という設定がされているのをお気づきでしょうか。

4.b「2020年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、ならびにアフリカ諸国を対象とした、職業訓練、情報通信 技術(ICT)、技術・工学・科学プログラムムなど、先進国及びその他の開発途上国における高等教育の奨学金の件数を全世で大幅に増加させる」と目標づけられています。

 

実は、教育分野において、SDGsが提唱される前から、ESD(Education for Sustainable Development)という文脈で議論され続けていました。ESDとは、現代社会の問題を自らの問題として主体的に捉え、人類が将来の世代にわたり恵み豊かな生活を確保できるよう、身近なところから取り組む(think globally, act locally)ことで、問題の解決につながる新たな価値観や行動等の変容をもたらし、持続可能な社会を実現していくことを目指して行う学習・教育活動です。つまり、ESDは持続可能な社会の創り手を育む教育です。(文部科学省)

 実は、このESD、2002年の「持続可能な開発に関する世界首脳会議」で我が国が提唱した考え方でもあります。2015年、SDGsが登場した際には、SDGsは、「誰一人取り残さない」社会の実現を目指して、すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯教育の機会を促進する」のターゲット4.7として位置付けられたようです。

SDGsのすべての目標の実現に寄与するためには、土台となる人材の育成が欠かせません。「持続可能な社会の創り手を育成」するESDは、SDGs実現の前提とも言えるでしょう。

 

ところが、現実はどうなっているのでしょうか。

・世界では6~14歳の1億2,400万人の子どもたちが学校に通えていない(2017年)

・世界で初等教育を受けられない児童数は約5,900万人

・日本で不登校になる子どもは約18万人

・世界で読み書きができない子どもは約7億5千万人

 

日本での識字率は99.8%です。しかし、世界に目を向けるとこのような実態になっています。日本ではあまり考えれないかもしれませんが、その理由は、先生がいない、お金がない、家が貧しい、小さい子供の面倒をみる必要がある、病気になった、戦争に巻き込まれて学校にいけないといった理由などがあります。また、今回のコロナ禍で日本でも同じ状態になった家庭もあり、親の失業で学校を退学せざるをえなくなったケースも多くありました。

世界の総ての子どもが教育を受ける権利があるにもかかわらず、上述のように、貧困、

紛争、人種偏見、国家予算などの理由から多くの子どもたちが教育を受けられていない現状があります。

 一方、日本国内でも能力がありながら、女性というだけで、高等教育を受けるチャンスが与えられていなかったり、親や周囲の偏見により教育の機会を奪われたりしているケースも散見されます。

 

目標4は目標5とも大きな相関性ありますが、エドテック(EdTech)という概念が登場しました。エドテックとは、「Education(教育)」と「Technology(テクノロジー)」を組み合わせて作られた造語です。テクノロジーを用いて教育業界を変えようとする概念や技術・サービスのことです。近年はITと産業を結びつける動き(クロステック)も増えてきています。2023年度までに完了予定であった全国の小中高への1人1台のコンピュータ配布「GIGAスクール構想」は前倒しで開始されています。

 

企業でも、SDGsでの事業展開では、目標4に紐づけられる施策が多く見られます。

学校や企業、そして、行政とパートナーシップを組んで、誰も取り残さない社会の実現に向けて確実に動いています。

 

目標4 質の高い教育をみんなに ターゲット一覧

4.1 2030年までに、すべての⼦どもが男⼥の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。

 

4.2 2030年までに、すべての⼦どもが男⼥の区別なく、質の高い乳幼児の発達・ケア及び就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする。

 

4.3 2030年までに、すべての人々が男女の区別なく、手の届く質の高い技術教育・職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。

 

4.4 2030 年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及

び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。

 

4.5 2030 年までに、教育におけるジェンダー格差を無くし、障害者、先 住⺠及び脆弱な立場にある子どもなど、脆弱層があらゆるレベルの教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする。

 

4.6 2030 年までに、すべての若者及び大多数(男女ともに)の成人が、読み書き能力及び基本的計算能力を身に付けられるようにする。

 

4.7 2030 年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバルシチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。

 

4.a 子ども、障害及びジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良し、すべての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供できるようにする。

 

4.b 2020年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、ならびにアフリカ諸国を対象とした、職業訓練、情報通信 技術(ICT)、技術・工学・科学プログラムムなど、先進国及びその他の開発途上国における高等教育の奨学金の件数を全世で大幅に増加させる。

 

4.c 2030年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国における教員研修のための国際協力などを通じて、質の高い教員の数を大幅に増加させる。