目標5: 【ジェンダー平等を実現しよう】

     

ジェンダー平等を達成し、すべての女性・少女のエンパワートを行う

日常の会話で、「男らしいね」「女らしいね」と、何気なく使うことがあります。

私たちは、その何気ない言葉に傷ついていらっしゃる方が多いことにもっと関心を示す必要があります。

この目標5に関して、必ず、事例として出てくる数字が、日本における女性の国会議員数です。SDGs進捗報告のジェンダーギャップ指数で日本は調査対象となった世界156カ国中の120位。女性の国会議員数の比率は24%程度(4名に1名の割合)で、主要7カ国(G7)では最下位です。

日本での女性の労働者は全体で約4割ほどですが、管理職比率は27%程度とも言われています。また、民間企業での役員比率も5%程度でしかありません。

これらの数字が示しているのは,社会の中で男性女性が平等であるために,日本の社会が解決していかなくてはいけない問題がまだまだたくさんあるということです。

「今の企業の人事制度は、男性視点のみで作った制度」と主張をされる方もおられます。最近では、ポディティブアクションプログラムを策定したり、育休制度等やワークライフバランスなどの制度により体のリズムの不調に配慮したりする企業も増えてはきましたが、根本的な解決まで至ってはいないと言えるのではないでしょうか。

 

「ジェンダー」とは(UNWOMEN)

男性・女性であることに基づき定められた社会的属性や機会、女性と男性、女児と男児の間における関係性、さらに女性間、男性間における相互関係を意味します。こういった社会的属性や機会、関係性は社会的に構築され、社会化される過程(socialization process)において学習されるものです。これらは時代や背景に特有であり、変化しうるものです。

また、ジェンダーは一定の背景において女性・または男性として期待され、許容され、評価されることを決定します。殆どの社会では、課せられる責任や負うべき活動、資金・資源へのアクセスと支配、意思決定の機会において、女性と男性の間に違いや不平等が存在します。ジェンダーはより広範な社会・文化的背景の一部でもあります。社会・文化を分析する上で(ジェンダー以外の)他の重要な基準として、階級や人種、貧困レベル、民族や年齢などがあります。

 

日本でジェンダー平等が進まない理由

シカゴ大学の教育学者フィリップ・W・ジャクソン (Philip W. Jackson)が、「隠れたカリキュラム=hidden-curriculum」という概念を提唱しました。教育学・教育社会学の分野でよく用いられ、「潜在的カリキュラム」と表現される場合もあります。

人間の学習には、学校や職場など学習する“顕在的カリキュラム”と、公式な状況の中ではない場所で学習する“潜在的カリキュラム”が存在します。この潜在的カリキュラム(隠れたカリキュラムとは、教育する側が意図する・しないに関わらず、学校における制度や社会慣行、教員や会社の上司や先輩など言葉や態度などを通して、フォーマルなカリキュラムの中にはない、知識、行動の様式や性向、意識やメンタリティが、学び取られるものを指します。

「男らしく」「女らしく」「生徒らしく」「女性なら・・・すべき」「男性なら・・・すべき」などの言葉の裏にある考え方を潜在的に学習していきます。

職場の飲み会などで会社の悪口を聞かされる側は、潜在的にその情報を習得することにもなります。私たちは潜在的に隠れたカリキュラムで学習しているリスクがあることを認識する必要があります。

 

ジェンダーに関しては、そのような根源的な背景があり、隠れたカリキュラムに日本の伝統文化や社会風習も包含されていることもあり、問題解決を困難にしているとも言えます。

 

企業の中では、女性視点でマーケティング活動を行うことで成功したり、女性の感性を生かした商品づくりに成功したりして成果を出す事例も増えてきています。

LGBT、LGBT Q、などの性の多様化が進みましたが、上述の潜在的カリキュラムで習得した価値観で差別をしてしまう風潮、男女の家事労働における時間のギャップ(1日あたりの家事労働における男女差(平均:男性1時間23分に対して女性7時間34分*SDGsジャーナル)の是正など、まだまだ個人としても企業としても多くの課題が残されています。

 

目標5 ジェンダー平等を実現しよう ターゲット一覧

 

5.1 あらゆる場所におけるすべての女性および女子に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。

 

5.2 人身売買や性的、その他の種類の搾取など、すべての女性および女子に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する。

 

5.3 未成年者の結婚、早期結婚、強制結婚、および女性器切除など、あらゆる有害な慣行を撤廃する。

 

5.4 公共のサービス、インフラ、および社会保障政策の提供、ならびに各国の状況に応じた世帯・家族内における責任分担を通じて、無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価する。

 

5.5 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参加および平等なリーダーシップの機会を確保する。

 

5.6 国際人口開発会議(ICPD)の行動計画および北京行動綱領、ならびにこれらの検討会議の成果文書に従い、性と生殖に関する健康および権利への普遍的アクセスを確保する。

 

5.a 女性に対し、経済的資源に対する同等の権利、ならびに各国法に従い、オーナーシップ、および土地その他の財産、金融サービス、相続財産、天然資源に対するアクセスを与えるための改革に着手する。

 

5.b 女性のエンパワーメント促進のため、ICTをはじめとする実現技術の活用を強化する。

 

5.c ジェンダー平等の促進、ならびにすべての女性および女子のあらゆるレベルでのエンパワーメントのための適正な政策および拘束力のある法規を導入・強化する。