第72話 神田神社「四條流庖丁式」
神田明神の祭神は平将門様(~940)、大国様、恵比寿様である。そのうちの大国様は〝農〟の神、恵比寿様は〝漁〟の神というわけでもないだろうが、この三神に毎年三つの食が奉納される。五月の神田祭に執り行われる(一)献茶式…
神田明神の祭神は平将門様(~940)、大国様、恵比寿様である。そのうちの大国様は〝農〟の神、恵比寿様は〝漁〟の神というわけでもないだろうが、この三神に毎年三つの食が奉納される。五月の神田祭に執り行われる(一)献茶式…
☆二つの「美食倶楽部」 春の皇居を訪れると、桜の花びらが牛が渕の水面を覆い尽くして美しい。こんなときは《桜切り》など食べてみたい。と思って、九段の蕎麦屋さんに立ち寄って、食べ終わってから外に出るともう陽が落ちていた…
蕎人伝 ④森鴎外 ☆二人の「小倉日記」 故郷の佐賀に帰っているとき、街中で小学校時代の同級生とばったりあった。 ちょうど昼刻だったので、「昼食でも」ということになった。辺りを見ると、松川屋がある。「よかろう」と…
夢の島で、草上の蕎麦を食べながら、次の練習問題を考えてみた。 《練習問題:マネの「水浴」が「草上の昼食」という題に変わったのはなぜか?》 エドゥワール・マネ(1832-83)の「草上の昼食」(1863年)に…
☆夢の島そば 東京に夢の島という処がある。その中にある熱帯植物館の舘長は6年くらい前から、1,200坪ぐらいの畠に蕎麦を撒き始めた。元々舘長は、茨城の金砂郷で蕎麦栽培をおこなったり、蕎麦打ちをやったりという蕎…
食の思想家たち一、村井弦斎 近ごろ「食育」ということがよく言われるようになった。この言葉を創って、唱えたのは明治の作家・村井弦齋(文久3年~昭和元年)である。彼は、小説『食道楽』の中で「食育論」を述べているが、その発…
☆在来種 外来種に対して在来種というのがある。江戸時代以前に生育していた固有の動植物のことである。 もちろん蕎麦にも在来種がある。見た目は小粒だが、締まりが良くて味が濃い。現在では、長崎県の「対馬在来」、鹿児島…
蕎人伝 ③真崎照郷 ☆神崎の麺 佐賀県の神崎は麺処である。その歴史は明確ではないが、寛永年間に小豆島から一人の雲水がやってきたことが始まりだと伝えられている。名も知れぬその雲水は旅の途中、長崎街道神崎宿で病に倒…
蕎人伝 ②中村元恒・元起 ☆謡曲「蕎麦」 ずっと以前に「蕎麦」と題する謡曲があるという話をどこかで耳にしたことがあった。それから3年間、私はその謡曲「蕎麦」の行方を探し続けた。 すると、江戸末期の信州高遠藩の儒…
「江戸ソバリエ」誕生(七) ☆夏目漱石の「猫」 「蕎麦の食べ方」について語るとき、よく世間では落語の『時蕎麦』の話がひき合いに出される。この落語は明治時代の三代目柳家小さんが上方落語の『うどん』を江戸の、蕎麦に置き…