第385話 信州上田の勿忘草

☆昭和2年(1927年)、幻の蕎麦屋  志賀直哉は、軽井沢の千ケ滝付近の旅館で小説『邦子』を書いていたが、なかなかでき上がらないので、家族を東京の両親の元へやって、一人で戸倉温泉へやって来た。 泊まったのは「笹屋ホテル」…

第384話 高尾山の《とろろ蕎麦》

高尾山といえば、今は《とろろ蕎麦》が名物になっている。 その《とろろ蕎麦》について、ある雑誌社から依頼されて調べに行った。 当地での元祖は「竹乃家本店」ということを聞いていたが、今は閉店している。そこで健在の「竹乃家支店…

第383話 舞踏は女の祈り

インドは、日本にとって重要な国である。 アジア外交の合従連衡を考えるとき、極東の日本と南アジアに位置するインドは友好的であるべきとの戦略論であるが、今日はそんな野暮な話ではない。 インド舞踏家で、江戸ソバリエの関本恵子さ…

第380話 日韓 定食 比較論

「宮廷料理」というのがある。言葉を聞いただけで、権力、富、最高の調理技術が見え隠れし、何やら眩しいものを感じる。 近隣国では、琉球王朝(15世紀~19世紀)、李朝朝鮮(14世紀~20世紀)、清帝国(17世紀~20世紀)、…

第379話 クレフト博士と赤い蕎麦

中央ヨーロッパの、アルプスの南側にスロベニア共和国という国がある。1991年にユーゴスラビアから独立した国だ。 そのスロベニア大使館にご勤務されている神足リエさんという知人から、「ソバ博士・イワンクレフト先生が伊那の蕎麦…