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第215話 自分らしさ

   ある朗読会に参加した。自分の作品を読んでいただくということだったが、その前に幾つかの練習があった。   一つは、発声練習。二つは声が届く練習。三つは勘の練習だった。  一番目は、大きく口を開けてハッキリ発音する。こ…

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第214話 十三夜名月膳

季蕎麦めぐり(十四)    「ごーん・ごーん・ゴーン♪」  午後五時、深大寺の鐘の音が流れてくる。  「門前」の店主・浅田さんによれば、子供のころから聞きなれたこの鐘の音の三つ目が〝時の鐘〟だという。朝は六時、昼は十一時…

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第213話 知的料理術

《 蕎麦膳 》十四   梅棹忠夫の『知的生産の技術』という新書がベストセラーになった昭和44年ごろ、何でも彼でも「知的」という冠がついていたことがあった。  しかし、林幸子先生の今日の料理 《早稲田茗荷御膳》は、文句なく…

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第212話 どうづきそば

お国そば物語⑰    穀類を粉にするには臼が欠かせない。その臼には、杵で搗いて潰す「搗臼」と、石臼と石臼を磨って粉にする「碾臼」があり、漢字も分けて使う。  搗臼は「臼」「碓」と記し、碾臼は「碾」「磑」で表すのが基本であ…

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第211話 流氷とクリオネの国

お国そば物語⑯オホーツクのダッタン蕎麦    オホーツク紋別空港は積雪に囲まれていた。「北海道」、と聞いただけで九州生まれの私は、積雪の森と湖、流氷の海 ― まるで異国のような景観が広がる。そればかりかこのオホーツク海沿…

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第210話 マンハッタン・スケッチⅣ

【マンハッタン ☆挿絵 ほし】 ☆ニューヨーカーのブレックファースト   ニューヨークの初日はホテルで朝食をとった。 パン、バター、ジャム、ポテト、ベーコン、スクランブルエッグ、フルーツ、ミルク、ジュース、コーヒー・・・…