フードボイス記事ニュース

第199話 ソバリエ画伯のこと

   ここはお江戸日本橋。といっても昭和通りを超えた3丁目、辺りはビジネスビルが犇めいている。その一角に「藪伊豆」がある。定期的に落語会を開催している蕎麦屋として好き者の間では知られている。  3階の座敷に上がると、その…

フードボイス記事ニュース

第198話 コンプラ醤油瓶

   昔、長崎にコンプラ醤油というのがあったことを知ったのは井伏鱒二の文章を読んだときだった。  井伏は名前に「鱒」の字を使っているだけに釣が大好きで、釣のことをよく書いているのは有名だ。  でも、『珍品堂主人』という小…

フードボイス記事ニュース

第196話 江戸蕎麦めぐり⑦

大むら・大村庵の祖    半日もかけて探していた物が、諦めかけたころにやっと出てきた。どうせ出てくるのなら、初めに見つかってもよさそうなのに、なぜか最後。安易なテレビドラマのようだが、本当のことだ。  千代田区の図書館で…

フードボイス記事ニュース

第195話 日本橋 蕎麦事始

   スカイツリーと富士山が一望できる鎌ヶ谷市役所の屋上が人気だという。それが現代日本の象徴的景観であるからだろう。  そういえば、昔の江戸っ子も誇りにしている景色があったらしい。日本橋から望む江戸城と、駿河の富士である…

フードボイス記事ニュース

第194話 「先を立て、我も立つ」

食の思想家たち十六、石田梅岩     過日、テレビを観ていたら、あるタレントが「この辺りは昔からうどん文化圏だ」というようなことを言っておられた。  おっしゃりたいことは「ここはうどん圏であって蕎麦圏ではない」ということ…

フードボイス記事ニュース

第193話 妄想、江戸蕎麦レストラン

  ☆香で食べる  知人の小山ゆうなさんが演出する舞台『群盗』を見にいった。ドイツ生まれの小山さんだ、ドイツ文学には馴染みがあるのだろう。  開幕までの間、もらったパンフレットを捲っていると、「香り」という文字に目が止ま…