第697話 蕎聖円爾

『世界蕎麦文学全集』物語39       日本に《つるつる麺》をもたらした人物がいる。円爾という鎌倉時代の僧侶だ。その円爾の故郷を訪れてみたいと思って静岡へやって来た。   ところが、目的地までのバスは午前中に一本、しか…

第696話 女神・氷高皇女

『世界蕎麦文学全集』物語38 ☆氷高皇女 霍公鳥 なほも鳴かなむ 本つ人 かけつつもとな 我(ア)を音(ネ)し泣くも  (氷高皇女)    日本蕎麦史のなかで「蕎麦の女神」とよばれる人がいる。元正天皇である。詔で蕎麦栽培…

第695話 目撃者、みみずく土偶

『世界蕎麦文学全集』物語37  「なぜ年越に蕎麦を食べるのか?」という問いに対し、こんな考え方がある。    年を越し、新年を迎えるにあたって、古代の日常食を食べたり供えるようになった。「古代の」というのは「縄文時代の」…

第694話 人の路 蕎麦の路

『世界蕎麦文学全集』物語 36   邪馬台国の女王卑弥呼に会うために倭国を訪れた中国人一団の第一歩は対馬(現在の三根集落遺跡)であった。その記録『魏志倭人伝』では、対馬についてこう述べている。   ~ 対馬は土地は山が険…

 第693話 対馬の、原始の蕎麦

『世界蕎麦文学全集』物語 35   福岡空港から対馬行の便に乗る。下界を見下ろすと、九州北部と朝鮮半島の間に都合よく飛び石のように位置して対馬が見えた。 対馬は福岡からすぐだった(約140㎞)。元々対馬は海流などから佐賀…

第692話 日朝中 楡文化圏

『世界蕎麦文学全集』物語34   江戸ソバリエの天野氏から韓国ドラマ『オクラン麺屋』のDVDをもらったので、拝見した。  《冷麺》を軸として朝鮮民族、父子愛、父の昔の恋、息子の現在の恋が絡んでゆく。なにせ「オクラン」とい…

第690話 麺の東西比較

『世界蕎麦文学全集』物語 32  誰かが、ナイフとフォークはステーキみたいな塊を食うため。スプーンは粥などを食べるためと言っていた。それに加えて、日清食品の創業者の安藤百福(1910~2007)は「箸の歴史は麺の歴史」と…